ニッケイ新聞 2008年7月15日付け
「日本文化のブラジルにおける守り手」と評価され、岸川ジョージ二天武道研究所主宰(ブラジル古武道連盟会長)が、去る六月十八日、ブラジリアのプラナウト宮で、ブラジル芸術文化歴史学会から、功労章を受章した。移民百周年記念である。
学会のワニア・ロドリゲス会長は「岸川氏が二天武道研究所を創立、日本文化の伝達に尽力し、またスポーツ医学の分野でも特異の研究がある」と授章理由を説明した。連邦政府もまた、同様の意を表し、授章式には、ルーラ大統領、ご来伯中の皇太子さま列席の場が提供された。
岸川主宰は受章後「日本の伝統文化をブラジルに伝える責任を深く感じた。ブラジル国家が日本文化を愛情豊かに、恭敬の念で受け入れてくれたことを幸福に思う」と感謝の言葉を述べた。
二天武道研究所は、また今回、サンパウロ文化企業統合センターからも日伯文化交流活動の重要な機関として承認され、日伯統合最高章を受章している。
岸川主宰は、青少年時代からブラジル剣道界で輝かしい実績を残したあと、古武道追求、普及の道に入り、宮本武蔵の二天一流の免許皆伝を受けた。杖術、居合、十手、鎖鎌などにも熟達し、指導にあたっている。『新葉隠』(現代武士の思考)の著者であり、『五輪の書』のポ語版翻訳者。