ニッケイ新聞 2008年7月16日付け
リオ市プロヴィデンシア丘の三青年惨殺事件被害者の弟が、自分の手で兄殺しの犯人を殺すために密売組織に入ると言い出した。血を血で洗う世界に飛び込もうとする息子のため、母親はカウンセラーを探しているが、密売組織などからの救出活動を行う元密売者らもいるリオ。一日も早く出会えるよう願わされる。戦場向けに訓練された軍人はパトロール任務の訓練は受けていないとして、治安活動への軍人導入への賛同者減少との報もあった。
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生来の盲目で、リオで死亡した三歳のジョアン君の角膜移植を受けた十三歳のスエニイさん。右目の視力は四三%まで回復する可能性が生じ、十四日には生まれて初めて見た海の大きさに感動。一方、二カ月前に片目の視力を失い、ジョアン君の角膜移植を受けた八歳のラリッサさんの父親が、ジョアン君の両親に会いたいと。ジョアン君の角膜により生きる力と光を与えられた二人のニュースが、ご両親の慰めともならんことを。
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飲酒運転の取締りが厳しくなってから、救急車(SAMU)の出動が二四%減り、暴力事件も減少している。酒を飲みつつ、酒に飲まれていた人が多かった証拠。酒に飲まれただけなら断酒で改善できるが、運転中に追突されて相手を殺害したり、自分の車を壊したりするなど、自分の怒りをコントロールできなくなる、「キレル」タイプの人は、カウンセラーや精神療法士の他、食の改善も必要だという。
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三週間以上雨が降らないサンパウロ市では大気中の湿度も二〇%台。全国的にも雨が少なく、病院に運ばれる気管支疾患の患者も増えている。大気汚染悪化や水力発電用のダムの水位なども気にかかる。