ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | オポチュニティ銀行にマネロン疑惑=金融犯罪が銀行業務=中銀へは外部委託で欺く=捜査はとかげのシッポか

オポチュニティ銀行にマネロン疑惑=金融犯罪が銀行業務=中銀へは外部委託で欺く=捜査はとかげのシッポか

ニッケイ新聞 2008年7月18日付け

 中央銀行が十六日、ダンタス容疑者のオポチュニティ銀行管理プロセスにマネロン(資金洗浄)の形跡があると指摘したことを十七日付けエスタード紙が報じた。同行の金融犯罪捜査を行った際、口座開設に当たり顧客の住民票番号、所得の記録がなかった。法人についても企業の取引き記録がない。
 同行は取引き開始に当たり、顧客の身分証明を求めなかった。顧客台帳の約半分は、住所や身分証明番号(RG)、所得税申告の登録番号(CPF)が空白である。同行の内規に従い、対処することになっている。
 同行はダンタス容疑者の妻がオーナーであり、ラランジャ(名義貸与)と見られる。同容疑者が、同行を中心とする犯罪組織の仕切り役らしい。
 犯罪の形跡は、僅かな資産二千百万レアルで多額の八億三千万レアルを動かした。濡れ手で粟を掴むような異常取引きを行っていた。中銀への報告義務を怠っていたなど、三点である。
 同行では犯罪の嫌疑がかかる取引きを報告書から故意に削除し、それを看過受理する中銀職員がいたということだ。中銀から不審な点を指摘されると、同行の組織改革を約束し役員を交代して難を避けてきた。
 顧客の身元確認を中銀から要求されると、同確認業務を外部の業者に委託した。外部委託によりマネロン業務も移植した。同行はマネロンの足跡を消すために、システムとスタッフをも外部業者へ移植した。
 「内規によりケース・バイ・ケース」は、同行内では解決した。しかし、管理プロセスで空白となった部分が中銀の目に止まった。
 一方ではダンタス容疑者の側近が贈賄容疑で拘束され、オポチュニティ銀行の内部暴露を条件に減刑で抱き込まれた。賄賂として渡した通貨の番号で連警は資金の出所を追求している。
 通貨番号で同行の違法取引に関係した銀行や組織が判明する。マネロンの背景で暗躍した企業とシステムやマネロン以外の犯罪活動もいっしょに炙り出されそうだ。
 ダンタス容疑者は最高裁処分で釈放されたが、贈賄で捕まった側近二人が連警によって吐かされることになるようだ。