ニッケイ新聞 2008年7月18日付け
十日に来伯したJICA日系社会シニアボランティア、第二十四回青年ボランティアの歓迎懇談会が十一日夜、リベルダーデ区のホテルで開かれた。今回、国内の日系団体から要請されて着任したのは、シニア七人(内男性一人)、青年十五人(内男性三人)の二十二人。シニア一人が諸事情により三ヵ月後に着任する予定。昨年増加した三十四人に比べると減少したが、平均的な数。約八割が日本語教育関連の職種に就く。
メンバーは、以前ブラジルを訪れたことのある再来組、JICA海外ボランティア経験者、途中退職をして来た人など経歴豊かだ。青年代表として吉村圭子さん(35・東京)が、「どんな困難も乗り越え、精一杯頑張るのみです」と意気込みを宣言した。
恩返しがしたいと語る青年の三好亜希子さん(31・千葉)は、十二年前に大学の研修で一ヵ月半ブラジルに滞在し、主にコロニアと交流した。その時の触れ合いが、日系社会ボランティア応募の原動力となった。「日系人って厳しいと思った。けれど同時にとても温くて…」長年の気持ちを実行しようと、十年勤めていた会社を辞める決意をした。
航空自衛隊を退官後に日本語教育の勉強をし、二年間アルゼンチンでシニアボランティアとして日本語教育に携わっていた上野英樹さん(67・福岡)は、メンバーの父親的存在だそうだ。妻の悦子さん(62)と一緒に来伯、「現地のニーズにできるだけ応え、日伯の橋渡し役をしたい」と抱負を語った。
千坂平通・JICAサンパウロ支所長は、「二年間いろいろある。健康で、二年後元気な姿の皆さんに会いたい」と激励し、「日本文化を持ってきた代表として、存在をしっかりアピールして欲しい」とアドバイスした。
一行は研修後、八月一日に各任地へと移動する。
【日系社会シニアボランティア名(派遣先)】中瀬洋子(大阪・日本語教育・北伯日本語普及センター)、安藤徳子(北海道・養護・社会福祉法人こどものその)、関谷美知子(宮崎・ソーシャルワーカー・サンパウロ日伯援護協会やすらぎホーム)、齊藤米子(山梨・ソーシャルワーカー・サンパウロ日伯援護協会スザノ・イペランジャホーム)、塚越浩美(神奈川・企画運営アドバイザー・ブラジル日本語センター)、金子記志子(群馬・日本語教育・汎パウリスタ日伯文化連合会)、田辺玉枝(福島・日本語教育・パラナ日伯文化連合会)、上野英樹(福岡・日本語教育・クリチーバ日伯文化援護協会)
【日系社会青年ボランティア(第二十四回)】▼日本語学校教師=山本理絵(三重・パラカツ日伯文化協会)、堀内信人(兵庫・イビウナ文化協会)、三好亜希子(千葉・アチバイア文化協会)、斉藤弘子(青森・ジャカレイ文化協会)、安藤美紀(北海道・ブラガンサ・パウリスタ日本人会)、帖佐香織(鹿児島・トゥパン文化協会)、長坂恵美(神奈川・ピニャール文化協会)、蒲美幸(岐阜・イタペチ農事文化協会)、平木基(大阪・第一アリアンサ文化協会)、重千尋(佐賀・ボツカツ文化協会)、野村亜由美(兵庫・カルロポリス文化協会)、吉村圭子(東京・マリアルバ文化協会)、福永みゆき(鹿児島・マウア文化体育協会)、河原正生(広島・カストロ文化体育協会)▼高齢者福祉=田原理恵(山口・パラナ老人福祉和順会)