ニッケイ新聞 2008年7月18日付け
犬は人類の友達―。近隣の人類に対しては、犬畜生の如き態度で接しているにも関わらず、犬食を禁止、冒頭のようなキャンペーンを張るオリンピック開催国である。 個人的に言えば、滋養強壮はさておき、味覚的に好きだ。一昨年、戌年の忘年会。幹事を任されたのでサンパウロ市某所の犬鍋屋を設定、箸の進まない編集部諸氏の姿に、チャウチャウを飼っている愛犬家に「それは食用犬だ」と言い放ち、嫌な顔をされたことを思い出した。
さて。八八年のソウル・オリンピックで韓国政府は補身湯(ポシンタン)の禁止令を出した。当時ソウルに住んでいた友人に聞くと、「全く影響はなかった」というから、今回も欧米に対するアピールに過ぎないことは確かだろう。
しかし、ハンバーグに犬肉が混ざっていても不思議ではない国。大会自体が羊頭狗肉とならないことを祈る。 (剛)