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東西南北

ニッケイ新聞 2008年7月19日付け

 TAM機事故一周年の十七日は、コンゴーニャス空港などで追悼抗議集会が行われた。十六日には、娘を亡くして以来、朝のカフェの後は娘の部屋で思い出に浸っていたという六十五歳の男性が心筋梗塞で死亡。娘を失い、皆が命の一部を失ったと語る男性の妻は、娘を失ってから体重も笑顔もなくした夫のことを振り返り、娘を失った悲しみに彼の心臓は耐えられなかったのだろうと。彼女は今、二人分の悲しみに耐えている。
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 サンパウロ州モジ市で十七日、八階建てアパートから火が出て、逃げ場を失った同階住民らが立ち往生。赤ん坊と五十歳の祖母のいるアパートの窓に寄せられたはしご車により、赤ん坊、次いで祖母の順に救出作業が行われた後、別のアパートにいた子どもを含む三人も救出。けが人もなく済んだが、火元のアパート住民が外出中の出火で、漏電が原因とみられている。
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 十七日にサンパウロ市セー広場に程近い宝石店に強盗が入った。八人の店員らを縛りあげて、品物を物色した後逃走。強盗そのものは、階段を降りて来たところで警備員らに取り押さえられたが、逃走を阻もうとした店主が四階の窓から少なくとも二発を発砲し、通りがかった薬剤師一人が負傷した。一方、リオ市では、付近で発生する強盗事件の警備にと停車していたパトカーが、目の前に止まった車の中からの銃撃を受け、二十発近くを被弾。パトカーの中にいた警官二人は応戦するひまもなく凶弾に倒れた。
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 カンピーナス大の調査で、使い残りの薬を台所やトイレにしまっている家庭が四八%と報告された。家庭で起きる中毒の四〇%は薬が原因。保管場所、自己処方などへの注意を呼びかけている。