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ブラジル高齢化が急進行=予想上回る出生率低下

ニッケイ新聞 2008年7月22日付け

 人口と健康の調査機関(PNDS)は十九日、ブラジルの少子化が予想よりも早く進行し、ブラジル地理統計院が二〇四三年に到達予測した女性の出生率一・八人を二〇〇六年に達したと発表したことを二十一日付けフォーリャ紙が報じた。
 国連の調査機関でさえも、ブラジル人女性の出生率が二・〇人を割るのは、二〇一〇年と見ていた。出生率の低下でブラジルは予想よりも早く高齢化し、次の時代を背負う若者が減っている。
 年金政策でも、老齢化社会の構造に対処する新たな社会政策を導入する必要がある。女性の出生率調査が始まったのは四十年前、最近の少子化現象が予想よりも早いことは、歴史的に国力の衰退を意味する。
 その他、医療や社会福祉負担が増え、労働者の厚生福利負担金や掛け金も増える。定年後に給付される数々の恩典は減り、思いがけない福祉制度の変更も起きる。
 出生率の低下は、低学歴や農村地帯の女性の子どもも三・五人か二人となって現われている。それには、若年層による避妊具の乱用と避妊知識の発達がある。女性の就学や就職が増え、テレビでの影響で理想的家庭像に変化が起きている。
 高齢化社会のインパクトは、公務員と民間企業の年金差にある。官民同一の年金制度を急がないと国民の不満が爆発する。年金制度を保持するには、一人の年金生活者につき五人の労働者がいないと崩壊する。
 人口増加と人口減少のどちらが良いかという判断は、社会構成と社会政策による。生産的な社会構成ならば、少子化現象は経済成長の助けになり、非生産的であれば負担になるだけだ。

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