ニッケイ新聞 2008年7月23日付け
選挙高等裁判所(TSE)は二十一日、全国の有権者は一億二千八百万人いて、そのうち八百万人が文盲、二千三十万人が無学歴と発表した。
無学歴でも多少の読み書きが出来、投票法を理解する有権者もいる。こういった有権者は理解可能な文盲と類別され、政見や党綱領は良く分からないが、政党の存在や候補者の名前などは理解できる。
TSEによると、文盲や無学歴の有権者が有権者全体の半数以上を占める市町村や郡(以下、郡)は、六郡につき一郡に上る。全国にある五千五百六十三郡のうち一六・八%の九百三十六郡が、このような状態であるという。
九百三十六郡のうち二百三郡がバイア州、百十九郡がパライバ州、百十八郡がピアウイ州。地域別では、北東伯が三七%。北伯は二八%、中央西部と南東伯が二一%、南伯が一三%。
低学歴や無学歴の人ほど保守的だ。誰が立候補し何を主張するか知らないから、誰をも支持しない浮動票である。これらの有権者にとって、思想は問題ではない。主張や思想で立候補者を認識することはない。
これら文盲や無学歴有権者の扱いは、選挙違反や票買収の温床になるので微妙だ。ピアウイ州のアスンソン市は有権者五千五百三十六人の七四・四%が文盲か無学歴。これらの有権者を投票所へ連れて行くのは、暗闇に牛を引くようなもの。
ルーラ大統領は、二〇一〇年の大統領選に向けて、有権者がPT政権の特長を認識するよう、教育を含めた社会福祉政策に尽力するよう、閣僚に発破をかけた。
これまでは社会福祉を社会インフラの一環として扱ったが、社会福祉専門省を設けて一任する考えだ。二〇一〇年の大統領選は、二〇一四年選挙につながる政権つくりをしたいらしい。