ニッケイ新聞 2008年7月24日付け
ルーラ大統領は二十二日、野党の策にはまるのを避けるため、ロウセフ官房長官に南リオ・グランデ州以外は控え席で待機し、演台への登壇を控えるよう進言したと二十三日付けフォーリャ紙が報じた。ムッシオ憲政相も同様、ペルナンブッコ州のみの登壇を許した。
官房長官は二〇一〇年大統領選のPT(労働者党)候補に内定しており、二〇〇四年の轍を踏まないためという。当時は党が地方選への連邦政府応援を決めたが、失策が地方の足並みを乱し、国会対策に尾を引いた。
ムッシオ憲政相は、PTと連立党とをまとめる重責にある。官房長官と憲政相を、地方レベルで党派間の軋轢に巻き込みたくないという大統領の配慮だ。両相は政治活動が、制限されることで不満を訴えた。
官房長官は、PTのショーウインドーだと大統領がいう。PAC(経済活性化計画)と大統領の右腕である官房長官で、自己宣伝の機会は十分。生じっか出しゃばって政府代表と誤解され、連立党から嫉妬されるとことが面倒になる。
官房長官の登壇が許される自治体は、州が一丸で連邦政府支援の足並みが揃っている所に限る。枠を取り払って自由行動が許されるのは、決選に臨んだ場合である。
六月の党会議で閣僚による地方選の応援は、出身の地元に限ると大統領が提案したが、合意が得られなかった。各閣僚は閣僚の職務以外に党幹部として全国規模の役目があり足がかりにする。
閣僚にとってPT党内の政治的権勢を広めるため、地方選が全国へ影響力を伸ばすチャンスである。全国的に知名度が高いことは、後々に有利な展開があるからだ。