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100周年で全伯浪曲祭り=15年振りに本格開催

ニッケイ新聞 2008年7月25日付け

 浪花節(浪曲)を中心とした公演としては十五年ぶりとなる、全伯浪曲好友者一同(樋口四郎代表)主催の全伯浪曲祭りが、来る八月十日午前九時からカンピーナス日伯文化協会会館で開催される。百周年を記念しており、入場は無料。
 案内に来社した樋口代表は「移民百周年を祝し、私ども浪曲師の面々は浪曲と演劇でみなさまに伝統芸能日本人の心意気を披露します」との心意気をのべ、「浪曲は時代とともに変わり、一世の生存者同様少なくなってまいりました。今回の浪曲祭りもそのような意味であるいは最後になるかも知れず、愛好者のみなさまには昔を偲び、開拓時代を振り返って頂きたい」と来場をよびかけた。
 パラナ州ロンドリーナ、サンタカタリーナ州サンジョアキン、サンパウロやカンピーナスなどから、十五年ぶりに集まる浪曲師は十人にもなる。樋口代表は「これでも時間内におさめるのに苦労しました」との内情を披露、参加を希望した浪曲師はさらに多かったという。
 プログラムは浪曲十曲を中心に、歌謡浪曲、歌謡詩吟、歌謡、寸劇、軍歌など全二十二演目。浪曲は「ああ広島」「日本の妻」「海鳴り」などの日本のもの、歌謡浪曲は馴染みの「喋柳ものがたり」「番場の忠太郎」など。午後五時半まで行われる。
 現役最高齢の宮原敏夫顧問も、浪曲「天狗行状記」に出演する。
 同公演は故今野吉郎師の追悼、及び後藤留吉翁満百歳を祝し「仲良く」「楽しく」「元気よく」がテーマ、喜劇調の出し物を中心にしている。また後藤さんを含め、カンピーナス在住の九十一歳以上の十五人も特別に招待している。
 樋口代表は「戦後しばらく、テレビが普及するまでは、コロニアでは浪曲が一番の楽しみだった。あの頃の、懐かしい熱気をもう一度味わって欲しい」と浪曲への熱い思いを語った。会場住所=Rua Camargo Paes, 118 Jardin Guanabara, Campinasa