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児童・青年擁護施設の実態=リオ州の収容者9割に親=子どもは社会の歪みの被害者

ニッケイ新聞 2008年7月26日付け

 ブラジルでの児童・青年の保護令制定から十八年経つが、児童・青年の養育環境や、保護やサービスの保証についての実態把握はまだまだ不十分だ。
 二十五日エスタード紙によると、リオ州初の児童・青年擁護施設の実態調査で、州内二三五の施設にいる〇~十七歳の収容者三七三二人中、親が生存は九二・一二%。一年掛かりで集めたデータは、児童相談所や司法当局も利用できるよう、オンライン化されている。
 リオ州調査の結果は、二〇〇四年の全国五八九施設での八万人の児童・青年対象の調査と似ているというが、リオの施設収容者滞在期間は、六カ月以下三〇・七一%、一年以上五四・五八%、十年以上滞在三・一四%で、平均七カ月。一方、〇四年調査では、親が生存八六・七%、二年以上滞在五二・六%(二~五年滞在三二・九%)、十年以上滞在は六・四%。
 また、施設収容の理由は、親の怠惰(養育義務放棄)一四・三四%、貧困一二・七八%、捨て子一一・六八%、家庭内暴力八・七一%、浮浪児五・九二%など。中には、保育所がなく擁護施設に連れてこられ、訪問が途絶える例もある。
 リオ州の調査を担当した専門家は、滞在期間が長いこと以外に、養子縁組の手続きに要する時間の長さも指摘。生父母に養育力なしと判定が出るまでは養子縁組出来ないが、親の訪問もない収容者が三〇%もいるのに、養子縁組の許可が出ているのは六・六八%のみ。
 しかし、リオの施設でも七~十五歳が六〇・二三%で、四月二日本紙既報のサンタカタリーナ州のように、二歳以下の子どもを探す人が多ければ希望に合わない子どもの方が多くなる。迎えたい側の希望と施設収容者の条件が合わないなど、許可=養子縁組ではない。
 また、養育義務放棄や貧困などの背景には、学歴や職もなく、収入安定以前に出産などの問題もある。計画もなく、成り行きで結婚や妊娠した親のつけを子が負うなど、施設収容者は社会の歪みの犠牲者ともいえる。
 サンパウロ州では九月から同様の調査開始の予定というが、保育所増設や収容者の心のケアなど、社会の手を必要とする人々がここにもいると、小さな叫びが聞こえてくる。

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