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35年続く交流事業=松柏・大志万と玉川学園=高校生が初めて研修来伯

ニッケイ新聞 2008年7月26日付け

 松柏・大志万学院と提携を結んでいる日本の玉川学園(東京都町田市)から二十五日、八人の生徒が同学園の研修プログラムで来伯した。松柏・大志万学院との交流は三十五年前に始まり、生徒と教師が隔年で日本を訪問、玉川大学の学生がブラジルを訪れているが、同学園の高校生が来伯するのは初めてのことだ。
 アメリカやドイツ、フランス、台湾など七カ国十五校と提携を結び、生徒の訪問・受け入れ事業を行なっている玉川学園。今回の研修は、昨年来伯した榑松史人・同学園国際交流センター長が同校の授業を参観したことがきっかけとなって実現した。
 このほど来伯したのは榑松センター長と八人の生徒。いずれも十六歳だが、初めて訪れたブラジルの印象、研修への期待は様々だ。
 「貧富の差が大きいと感じた」という三隅麻耶さん。「日本は今豊かだけれど、世界から見た日本はどうなのか。同世代を含めて他の国の人達がどのように暮らしているのか知りたい」。
 小学校で日系ブラジル人の友人がいたという三田紗歩里さんは、現在写真部に入っており、滞在中はいろいろ撮影したいと意気込む。「落書きでもブラジルのものは違う。色鮮やかですね」
 「道にゴミが多くて、日本とは違う風景」と話す増田華さんは「メールを交換しあって、長く付き合えるような友達を作りたい」と語る。
 到着後訪問した大志万学院で生徒たちとバスケットを楽しんだという山田純子さんは、「(生徒)がとても身近に感じられる」と感想。
 門倉寛乃さんも、「学校の子たちが皆、ハイテンションで受け入れてくれた。オープンで、とても話しやすい」と印象を語った。
 いろいろな国の生徒をホームステイで受け入れているという若林美咲さんは、「今回は毎日違う家でホームステイができるので、ブラジルの習慣などを体験できたら」と楽しみな様子。
 多田瑞穂さんは研修が決まってからブラジルの事、百周年の事などを調べたという。「マスコットもあって、盛り上がっていると感じた」。今回の滞在では「ブタンタンの毒蛇研究所訪問が楽しみです」
 「経済に興味がある」と話すのは渡邊修平さん。「日本にない日本がある気がする」と初日の印象を話しながら、「ブラジルがなぜ今発展しているのか、滞在中に感じられたら」と期待を表した。
 一行は八月四日まで滞在し、生徒との交流やホームステイを体験、市内各所を訪問するほか、林間学校などに参加。滞在中はポルトガル語や、サンバやアシェーの講座も行なう予定だ。
 「日本では失われた良い部分がここにはある。今の高校生にも感じるものがあると思い連れてきました」と話す榑松センター長。「このチャンスをどう生かすかは生徒次第。大いに生かしてほしいですね」とエールを送った。