ニッケイ新聞 2008年7月26日付け
愛知県が行った外国人児童生徒の日本語学習意向調査は興味深い。児童生徒の約半分が「日本生まれ」というのも実に印象的な数字だが、その他にも気になる結果がある。家庭内で使う言葉は「日本語だけ」と「日本語が多い」を合わせて約一〇%だが、「母国語が多い」は二九・六%、「母国語だけ」は二三・〇%もあり、合計すると半分以上。よく考えてみると移住が始まって二十年そこそこ、移住一世の時代だから九〇%以上が母国語でもおかしくない。家庭内で日本語が一〇%も使われているのは、多少なりとも日本語を継承している日系人ならではの現象か。
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「日本のジェットコースターがブラジルにお目見え!」というと鳴り物入りという感じだが、実は、三重県鈴鹿市の遊園地で使っていたお古を買ってきた。とはいえ、全長七百メートルあり、南米一。G1ニュースによれば、サンタカタリーナ州にある有名な遊園地ベッロ・カレイロ・ワールド十七周年の記念事業として、千万レアル(約六億八千万円)かけて購入したもの。長いだけでなく、五回転ループと最高時速百キロを誇る絶叫コースターだ。年末には組み立て終え、営業を開始したい意向だという。
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二十五日に行われた第九十回全国高校野球選手権記念大会北埼玉予選の決勝で、ブラジル人留学生伊藤ディエゴの所属する本庄一高校が四対三で勝ち、甲子園初出場を決めた。ピッチャーの伊藤選手はマリリア出身の日系三世。ブラジルではイビウナのヤクルトアカデミーで野球を学び、ジュニアの全伯選抜選手だった。決勝戦は伊藤が八回から登板し、一点を失ったものの見事逃げ切った。今年、ブラジル人選手のいる高校で甲子園出場を決めたのは同校と青森山田高校(青森)の二校。健闘を祈りたい。