ニッケイ新聞 2008年7月29日付け
内閣改造・臨時国会召集や解散絡みの話が永田町を飛びまわり政界は騒々しい。首相としても、政権浮揚のため改造に踏み切りたいだろうし、与党の大勢も同じと見ていい。先ごろまでは、今月末には福田色の濃い閣僚が顔を揃えた内閣が誕生するの見通しだったが、ちょっと先送りになりそうだし、どうもすっきりしない▼インド洋で給油活動をしている自衛艦の国際的な評価は高いけれども、これも法的には来年1月で期限が切れる。そこで政府としては新テロ法案を提出し可決したいのだけれども、与党の公明党が余り乗り気ではないし、勿論―民主党は大反対なので参議院では否決される。と、なれば、衆院での再可決が必要となり、鍵は公明党がどう動くかに掛かる▼こんな事情で政府が目論んだ8月末の臨時国会召集もおかしくなり、9月末説も強く、政界は混迷している。そんなところへ解散論や「1月に総選挙」の声が方々から聞こえてくる。今の情勢だと、自民は劣勢で民主圧勝の観測がしきりだし、福田首相も「解散は避けたい」。だが、自民党の古賀誠・選対委員長や山崎拓元副総裁らは「1月選挙もある?」としている▼無論、民主党は一日も早く選挙をーと幹部らは超多忙だし「あわよくば政権を」と威勢がいい。小沢一郎代表も近々、全国行脚を始めるようだし、次の総選挙は「天下の関が原」となって北海道から沖縄まで列島に「清き1票を」の激戦が展開されそうだ。こんな難しい問題の多い政界だが、総選挙はともかくー内閣改造と臨時国会召集は今週か来週のうちに福田首相も最終的に決断するに違いない。 (遯)