ニッケイ新聞 2008年7月30日付け
今年二月から市とマウア日伯文化体育協会、ペデレイラ日伯文化協会、マウア沖縄県人会が実行委員会(ヴァルテル・カリエル委員長)を組織し、記念行事の準備を進めてきたマウア市。
移民の日の記念議会では、八十八歳以上の高齢者二十二人のほか、日系三団体と二人の元日系市議を表彰。一九三〇年に入植した同地草分け、島袋明徳氏の家族への表彰も行われた。二十三日には姉妹都市・長崎県波佐見町の一瀬政太町長が同市を訪れ、歓迎セレモニーが開かれている。
同市では記念事業として、市役所に隣接する市立劇場前の敷地に日本庭園をつくり、百周年記念碑を設置。一瀬町長の訪問にあわせて開所式が行なわれ、町長とレオネル・ダーモ市長が記念に桜を植樹した。マウア日系社会の移民史編纂も進んでおり、今年中に発行する予定だ。
二日から六日まで市立劇場で行なわれた記念祭では、劇場ロビーに昔の生活用具や資料、生け花や地元日系画家の作品などを展示。「陶器の町」マウアらしく、三つの地元陶芸工房の作品なども並べられ、訪れた人たちの目を引いていた。
屋外の舞台では四日から六日まで、地元日系団体を中心に歌や踊りなど三十以上の演目が披露され、日本食などの屋台も出店。大勢の人でにぎわいを見せた。
同市ではこのほか、市内三十九の幼稚園、小中学校生徒に日本の踊りや昔話などを紹介するプロジェクトを実施。生徒による百周年の絵画コンクールも行なわれ、作品が展示会場を彩った。
実行委員会が行なった日系人口実態調査によれば、約四十一万人の同市人口のうち、日系家族は四百十八家族千六百五十人。昨年十二月から一軒ずつ調査票を送付、持参するなどして調査を行なってきたという。
実行委員会副委員長として奔走した永山喜代治ペデレイラ文協会長は「市長に理解があり、〃日系に恥をかかさないように〃と協力してくれました。千六百人の日系社会でこれだけのことができて、上々だと思います」と一連の行事を振り返った。