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日伯地域リーダー交流=ブラジリア、リオ訪問=日系人と交流ふかめる

ニッケイ新聞 2008年7月30日付け

 ブラジルと日本の交流を目指す「二十一世紀の日伯地域リーダー交流事業」で来伯中の二十人は、二十二、二十三両日、ブラジリア、リオを訪れ、地元日系人と交流を深めた。
 サンパウロでの歓迎会、シンポジウムなどを終えた一行は二十二日にブラジリアを訪れた。ブラジル中西部日伯協会連合会の秋本満敏会長と百周年委員会の林繁委員長の二人が一行を出迎え、一人一人と握手を交わした。
 一行は、各行政庁舎やオスカー・ニーマイヤー氏が建設した国立美術館などをバスの車窓から見ながら、目的地の連邦議会議事堂に到着。議事堂前では、飯星ワルテル連邦下議の出迎えを受けた。
 関係者から説明を受けながら、連邦下院議会と普段は見学できない連邦上院議会などを見学。また、この他に、ブラジルの独立時、最初に行われた議会の様子などを描いたパネル展示などに、一行は興味深げに見入っていた。
 議事堂内を見学した後は、市内の日本食レストランへ。同連合会の関係者をはじめ、在ブラジル日本国大使館の宮下匡之参事官、ブラジリア日本語普及会の三分一貴美子理事長のほか、父母の出身県からの参加者に会うため広島と北海道関係者たちなど二十人ほどが訪れた。
 志村豊弘ブラジルふるさと創生協会会長はじめ、関係者の歓迎あいさつの後、交流会へと進んでいった。
 参加者の一人、高知県須崎県税事務所納税担当主任の橋本耕一さん(45、高知)は「ブラジリアは作られた近代建築物で、科学的な町の感じがした。ブラジルには開発する土地もあり、パワフルでダイナミックな人たちが多い」と感想を語った。
 ブラジリアでの交流会を終えた一行は、大統領官邸を見学後、次なる目的地のリオへ。
 二十三日は朝からポン・デ・アスーカルとコルコバードの丘を訪れ、リオデジャネイロ日系協会で開かれた交流会に出席した。
 松浦みのる同協会会長をはじめ、鹿田明義リオ百周年記念委員会委員長たちなど関係者二十人ほどが出迎え。鹿田委員長は、今回三回目の受入れを行なう同事業で段々参加者が減っていることを危惧しながら「お互いの国を知るためには必要な交流事業だから、これからも続けていきましょう」とあいさつした。
 あいさつ、乾杯に続いて、同協会の婦人部員たちが前日から用意していたフェイジョアーダの説明を受けながら、一行はブラジルを代表する食事を嬉しそうに口に運んでいた。
 最後には、同協会関係者と一行で記念写真を撮影し、固い握手を交わしながら別れを惜しんでいた。その後、一行は空路でサンパウロに戻った。
 テレビで移民百周年に関する番組を見て参加したという、主婦の金津奈美さん(石川、34)は「日系人のみなさんは、日本人の良さや誠実さを大切にしている」と驚きながら話し「僅か二日間だったけど、成功している人が多いことを感じた」と率直に語った。
 今回の交流会を終え、有限会社曽根ダクト工事代表取締役の曽根洋介さん(山口、34)は「色々な人に出会えて収穫が多く、横の繋がりがあることを感じた」と感想を述べながらも「年齢の違う人や苦労した人たちの話をもっと聞きたかった」と残念そうに話した。