ニッケイ新聞 2008年7月30日付け
サンパウロ仙台七夕祭りの踊りを見て、若い世代の参加が増えたと実感した。どうして参加がないのだろう、引き入れる方法はないか、などと問題視された頃に比較すれば、隔世の感である▼その分、と言ってはなんだが、熟年世代の数は、最盛期に比べると大分減った(時間的な制約があって、踊り手はいてもだしものが減ったのか)。ただ、揃いの着物でパレード状の踊りを展開した彼女らは、好きなことをしているせいか、きわめて元気だった▼最近、日本の厚生労働省の疫学研究調査で、体をまめに動かしている人は、そうでない人に比べ死亡リスク(危険度)が三〇~四〇%も低いことが分った。このことは、ずっと以前から巷間いわれてきたが、ていねいな追跡調査により、しっかりと数字ではじき出されたのである▼内容をざっと示すと、調査対象は岩手から沖縄までの十都府県の四十五~七十四歳の男女八万三千人。九五年から〇五年の追跡期間中に約四千五百人が死亡。研究班は全員の労働ぶり、運動量、日常立ったり歩いたりしている時間を調べ、活動量に応じグループに分け、活動量と死亡との関連を調べた。さきの三〇~四〇%は、活動量最多グループと最小グループの差の数字である▼踊りでも、ゲートボールでも「歩く」でもよい。毎日努めてそうすればよい。身体をまめに動かさない人の死亡の危険度は高まるのである。七夕祭りで壮者をしのぐ踊りぶりを見せた女性たちは、現在「元気で長生き」の状態なのだ。(神)