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USP、100周年イベント々=「阪大国際シンポ」5日から=シンポ、上映会、展示など

ニッケイ新聞 2008年7月31日付け

 日本移民百周年月間ともいえそうな勢いでサンパウロ大学(USP)は八月、学内の講堂、図書館、映画館などあちこちで百周年関連のイベントを行う。
 その中心となるのが、USPと大阪大学が共催する国際シンポジウム「移動とアイデンティティ――コンフリクト(衝突)と新たな地平」で五~七日の三日間、USP内カマルゴ・グアルニエリ劇場で開催される。同時通訳付きで入場無料。
 テーマは、日伯間の移住という現象を中心に、移民のコミュニティが抱える現実を、映画、文学、歴史、心理学、人類学、社会学といった学際的かつ国際的な視点から議論していくこと。
 日本(阪大)から約十人、ブラジル(USP、UNESP、ブラジリア大学、PUC)を始め、フランス(パリ第八大学)など十三人、イタリア(ジェノバ研究大学)十四人、米国(エモリー大学)一人から研究者が集まって討議する。
 第一日目の五日午前十時から開会式で、十時半、小泉潤二・大阪大学副学長による基調講演「コンフリクトの人文学」、第一セッションは「移動・交差するアイデンティティ」、午後六時から哲学・文学・人間科学部付属フォロレスタン・フェルナンデス図書館の「日本移民百年展」開会式。
 六日午前九時から第二セッション「宗教、文化、移民」、午後二時から第三セッション「映画とアイデンティティ」、同四時半から映画と討論のセッションとなる。
 七日午前九時から第四セッション「『似て非なるもの』―ブラジルと日本の狭間に生きるブラジル人=コンフリクト、苦悩、新たなアイデンティティの構築及び様々な予防形態」、午後二時から第五セッション「移民の生活における差別、教育、支配=どこからレッスンを始めるか?」。
 なお、会場ではブラジル日本移民史料館が始めた移民写真巡回展も行われている。
 これに合わせて四日から十五日までの間、約百本から厳選された、日本移民や日系人をテーマにしたドキュメンタリー映画など二十八本を、学内のシネセスキで無料上映する。詳細は同サイト(www.fflch.usp.br/simposiousposaka/)まで。
 同学部図書館では六日から十七日まで、展示会「日本移民百周年―芸術・文化・言語―」を行っている。十三日午後二時から同学内の日本文化センターで茶道セレモニー、二十日と九月十七日には同図書館内で折り紙講座、二十六日には同館内で生け花教室、九月二日と九日には墨絵教室も開かれる。