命を握る手が掴むのは金=リオの肝臓移植医が不正=連邦大病院元主任ら起訴
ニッケイ新聞 2008年8月1日付け
三十一日伯字紙が、リオ連邦大病院肝臓移植部門の医師五人が、金を受け取って患者の順番操作などを行っていたとして起訴され、同部門元主任で、州臓器移植センター元コーディネーターのJ・R・フィーリョ医師が逮捕された。
同医師らの不正は二つの方法で行われており、その一つは、実際には移植に適した肝臓を不適とし、私立サン・ヴィセンテ病院での移植手術に回していたもの。この方法で移植手術を受けた一人は、元リオ州交通局長の兄弟。フィーリョ医師が臓器移植センターのコーディネーターとなって二日目のことだった。
もう一つは、臓器移植センターに入ってくる臓器の中に金を受け取った患者に適合するものがあった場合、優先順位の高い患者に移植するために大学病院に回すといいつつ、優先順位の低い患者に移植したもの。この方法で手術を受けたとされるのが元ペルナンブコ州知事の息子。
検察庁では、麻酔もかけた状態で中止となった件も把握しているが、この時は、臓器移植センターがフィーリョ医師の診断に疑問を抱き、臓器提供を断っている。
検察庁は移植を受けた患者は起訴しないことにしたが、フィーリョ医師は、偽診断書作製などで二十~二十五万レアルの金を受け取っていた。また、エアタクシーでサンパウロ州からリオまで行ったのに手術が中止された患者は、八万レアルを払うことになっていたという。
同大学病院での肝臓移植手術が一カ月中止された時のことは、七月三日付け本紙でも報じたが、リオ州で肝臓移植を待つ患者は千七十七人。全国では六千人いるが、今回の不正の背景には、以前は登録順であった手術が症状によるランキング順となったこともある。
移植手術を待つ人の中には、六回も「次はあなただ」と言われたまま七日に亡くなった患者や、四年四カ月待ってもまだ手術が受けられず弱っていく一方の患者なども。三十日フォーリャ電子版には順番待ちのまま亡くなった子どもも二人とあるが、金で命を救われた患者がいる影には、命を落とした患者やその家族の苦しみ、悲しみがあることを知ろうともしない医師には、医は仁術の言葉はおろか、医学部教授の肩書きも空しく響く。