ニッケイ新聞 2008年8月2日付け
コロンビアの週刊誌「カンビオ」が三十一日、Farc(コロンビア解放前線)による大統領代理人などブラジル政府要人との接触を明らかにしたと八月一日付けエスタード紙が報じた。報道
記事は、PT(労働者党)
幹部党員や労組幹部とのFarcコネクションを暴露したもの。
週刊誌報道は、コロンビアのウリベ大統領からルーラ大統領へ手渡されたブラジル国内におけるFarcの活動に関する詳細報告という。信憑性は未確認だ。
報道の情報源は、エクアドル領内で殺害されたFarcナンバー・ツーのラップトップに保存されていた記録。報道はブラジル政府要人に接触したことを強調し、Farcへの資金援助などがあったらしい。
Farcは、ジルセウ前官房長官や閣僚五人、下議五人、検事総長、大統領特別顧問、省庁次官、裁判官などの側近シンパにEメール発信を続けていた。
コロンビアのサントス国防相は、ブラジルが即時適切な措置を採ることを期待すると声明を発表した。しかし、ブラジルは、詳細報告が取るに足らぬものと軽視した。同報告には、八十五回にわたるFarcのEメールも掲示された。
Eメールに登場するFarc工作員は、ブラジル人の偽名で政府要人と接触、政府要人の代理もコロンビアの偽名でFarcと接触。Farc駐伯大使役は、カミロ神父ことオリヴェリオ・メジナ氏が担当した。
Farcの組織強化にPTや労組の支援があったことは否定できない。ルーラ大統領とカストロ首相が一九九〇年にサンパウロ・フォーラムを組織した時、Farcは他の中南米反政府組織とともに創立会員となった。
ガルシア国際担当顧問はFarcとの関係を一笑に付すが、週刊誌は単なる情報交換ではないと具体的例と内容を提示した。二〇〇六年には、シウヴィオ・ヘック大統領特使とカルヴァーリョ特別顧問を迎えている。
ジルセウ前官房長官の代理人ブレノ・アウトマン氏をコロンビア政府の監視を逃れるため、外務省と通じず官房室直通とした。その他下議や労組幹部が頻繁に、何かの目的で接触した。
これらの接触は、PTが第三者を通じてFarcへ資金援助をするためだったらしい。左翼政権の樹立輸出計画があったようだ。