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ジョルジェ産開相、農産加工で出遅れ=原料輸出には限界がある

ニッケイ新聞 2008年8月5日付け

 ミゲル・ジョルジェ産業開発相が三日、ブラジルは年間四億ドルの農産物輸出が可能だが、それを品質で大きく伸ばすチャンスを失ったと述べたことを四日付けフォーリャ紙が報じた。
 ブラジルは農産物生産では本領を発揮するが、農産物加工は国際水準の製品を産出するに至っていない。そのため輸出量に対する単価が低く、投資の旨みが弱く、農村労働者に相応の待遇ができないと同相はいう。
 輸出国における農産物のインフラ・コストとロジスチック能力で、輸入国の購入規模が限定される。生産者の努力に関わらず、自ずとコモディティ・ブームの限界も生み出される。
 国外の農業国は、原料輸出を抑えて農産加工に力をいれている。ブラジルは、国際的な傾向に逆行している。これは、原料輸出にICMS(流通税)を免除したカンジル法に原因がある。
 ブラジルは大豆だけでも、大豆粕や大豆油を売り損ね、年間百九十億ドルの損をしている。その分をアルゼンチンが、しっかり儲けている。ブラジルは、付加価値の生産で遅れているのだ。
 コーヒーなどは大生産国でありながら、儲けは他国に譲っている。二〇〇二年に、ようやく粉末コーヒーの輸出を始めた。それでもコーヒー豆輸出の三十六億ドルに対し、粉末コーヒーは僅か四千万ドルだ。
 農産加工品の輸出が伸びないのは、不都合な税制にある。政府当事者が、ブラジルは農業立国であることと農産物の重要性に気づくのが遅かったようだ。
 農産物だけではない。林産資源についても、木材輸出よりも家具などの木工製品に力を注ぐべきだ。どれも不利な税制のために、中国やアフリカに負けている。