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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2008年8月5日付け

 余りの人気低迷に痺れをきらしたのか福田首相が内閣改造に踏み切り、党の人事も麻生太郎氏を幹事長に起用。この清新さでーねじれ国会をも乗り切ろうの腹積もりらしい。経済重視のベテラン閣僚が目立ち斬新さには欠けるが、やっと福田色の濃い政権が誕生したのだからーこれからの政治が「本番」の意気込みが見えなくもない▼最近の内閣には、女性大臣が必ずいるようになり、小泉元首相も森山真弓さんや扇千影さんを起用しご婦人らを喜ばせたものである。この改造劇でも、あの郵政選挙で自民党を離党した野田聖子さんが、大臣就任だし、拉致問題で北朝鮮と丁丁発止とやりあう中山恭子・少子拉致相が留任と首相の女性想いの心配りがいいではないか▼日本初の女性大臣は、中山マサさんが第1号。1960年の池田内閣で厚生大臣に任命され「認証式には黒いスーツでも着るんでしょうか」と語り話題になった。あれは岸内閣が日米安保の改定で樺美智子さんが死亡し学生と労働者の反対が激しくまさしく革命前夜の状況であり、岸首相も官邸で「死を覚悟」したという▼この後を受け池田首相が「所得倍増」と「寛容」を掲げての内閣であり、女性への贔屓も有ったのかもしれないが、この山中マサ大臣は月給2倍論と共にもっと評価されていい。福田首相は調整型であり麻生氏は改革派と路線は異なる。最初の電話会談では、麻生氏も断ったが、差しの会談では承知しましたと引き受ける。次の総選挙の結果がわかるまでは、誰が政権を手にするかは神のみぞ知るだけながら、有力候補の幹事長就任は福田政権にとっても心強い。(遯)