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カラピクイーバ=オカツさん宅に強盗団=拘束5時間、ケガ人なし

ニッケイ新聞 2008年8月6日付け

 四日午前、大サンパウロ圏カラピクイーバ市でスーパーマーケットを経営する日系人ジョゼ・カルロス・オカツさん宅に、自動小銃で武装した三人組みの強盗団が立て篭もり、オカツさん家族とその弟家族ら計七人を人質にとる事件があった。五日付けのブラジルメディアが一斉に報じた。五時間に及ぶ犯人グループと警察の交渉の末、人質はすべて解放、ケガ人は出なかった。グループは同日、強盗の罪で逮捕された。
 午前六時半ごろ、スーパーの開店準備のため弟のタダシさん家族がオカツさん宅を訪れたところ、自宅前で待機していた強盗団に拘束された。犯人の一人は、見張りのため自宅外に待機、残りの二人がオカツさん夫妻と十代の娘二人、タダシさん夫妻と八歳の娘を同宅内の書斎で監禁した。
 五日付けアゴーラ紙によれば、立て篭もり前、すでに二万レアルから二万五千レアルの売上金を奪っていた。犯人はタダシさんに「金庫を見せろ」と要求、それに応じなければ「ナイフでおまえの耳を切り落とす」と脅迫したという。
 近隣の住人が事件を目撃し警察に通報。間もなく警察が到着し、見張りにいた男をすぐ逮捕した。その後、州軍警特殊戦術行動班(GATE)や弁護士らが駆けつけ、携帯電話などを通じて残りの犯人と交渉を重ねた。
 この間、二人組の犯人は、窓から五十レアル紙幣の束を警察に見せつけて金品を要求。その内の一人は、人質をすでに傷つけたように見せかけるため、ケチャップをつけたナイフもちらつかせた。
 人質解放の条件として、弁護士と報道関係者を要求、長期立て篭もりのため軽食も求めた。警察がその要求を速やかに認めたため、午前九時、まず子ども達を解放。その一時間後、さらに女性二人を解放した。
 午前十時五十三分、現場にさらに二人の弁護士が到着、犯人と交渉を始めたことでオカツさんとタダシさんが解放された。交渉の後、逮捕された三人の男は、警察の調べに対し、「店から金品を盗むことだけが目的だった。人質をとるつもりはなかった」と供述しているという。なお、犯人は禁固刑四年から十年が科せられ、最大十五年まであり得る。