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FGV調査=新興中流階級が台頭=経済の牽引力健在=体力向上、好循環始まる=格差と貧困を自助努力で

ニッケイ新聞 2008年8月7日付け

 ジェッツリオ・バルガス財団(FGV)の調査によると国内六大都市に住む人口の五一・八九%が中流階級に入ったことが判明と六日付けエスタード紙が報じた。応用経済研究院(Ipea)の調査では、同都市の下層階級が減ったと発表。この中流階級が消費市場の保全と雇用創出を行い、これからブラジル経済の牽引力になると期待されている。
 FGVは、世帯当たりの月収千六十四レアルから四千五百九十レアルを中流階級とするが、〇二年には経済活動人口の四四・一九%だった中流階級は今回調査で五一・八九%に増加。このクラスは政治と関係なく、自分の力で努力をした人で、能力を伸ばすチャンスも増え、波に乗った勝組といえる。これらの人々を、FGVは雇用創出と所得向上を生む新興中流階級と呼ぶ。
 一方、Ipeaによると、全人口の二五%が住み、GDP(国内総生産)の四〇%を生産しているサンパウロ市、リオデジャネイロ、ベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレ、サルバドール、レシッフェの六大都市の上流階級(最低賃金四十以上)は〇二年の四十四万八千五、百人から二万八千百人増え、四十七万六千六百人となった。この層は全体の一%にあたる。
 〇二年にサンパウロ市に五二・二%いた上流階級は、〇八年、五〇・九%に、ポルト・アレグレでは六%から四・五%へ、ベロ・オリゾンテは六・九%から一〇・六%へ減った。
 一方、ブラジルは上流階級の増加より、下層階級の富裕化が著しく、絶対貧困国から相対貧困国へ格上げされ、所得格差も縮小とも報告。政府の生活扶助金による富の再分配政策と正式雇用増加が効を奏したらしい。
 Ipeaのいう下層階級は一人当たりの月収が二分の一最低賃金(二百七レアル)以下で、〇二年から〇八年の間に三百万人のブラジル人が赤貧から足を洗った。下層階級の縮小が顕著なベロ・オリゾンテは三八・三%が二三・一%に減った。
 サンパウロ市の下層階級は三五・八%から三五・七%と変化がなく、貧乏暮らしが板に付いたらしい。反面、レシッフェやサルバドール、ポルト・アレグレは貧乏人が増えた。これは企業が生活費の高い都市から、生活費の安価な地方へ移転したためと見られている。