ニッケイ新聞 2008年8月7日付け
七月三十一日伯字紙がサンパウロ州の殺人被害者が一三%減と報じたが、六日エスタード紙は殺人減少の要因分析を報道。また、同日フォーリャ紙はサンパウロ市内についての犯罪種別マップを紹介した。
サンパウロ州の殺人被害者は、〇七年十一月二日フォーリャ紙が一~九月は〇六年同期比で二三%減と報ずるなど、州全体での減少傾向が継続しており、今年上半期の死者は、〇七年の二五〇九人から二一八三人に減っている。
六日エスタード紙によれば、サンパウロ州保安局は殺人減少に銃器減少が影響と分析。〇一年の殺人発生率上位九九市中、九二市で殺人が一〇・二六~九一・六七%減少しているが、その多くで銃器の押収、回収が進んでいる。
一方、銃器は三四%減で殺人は一〇〇%増という市もあり、殺人減少には、銃器取締りや警察力向上、麻薬押収の他、殺人被害者にも加害者にもなり易い青年の減少なども関連しているという。
なお、サンパウロ州保安局の殺人削減目標は、上半期に一〇万人当たり一〇・五だった殺人発生率を、年末には一〇まで下げること。そのためには犯罪者の摘発、処罰も必要だ。
また、州の殺人発生率一〇・五に対し一四と高いサンパウロ市に関し、死の三角地帯と称される南部のジャルジン・エルクラーノ、カッポン・レドンド、パルケ・サントアントニオの三区では、一日に一・四人が殺されているという記事は、フォーリャ紙やアゴーラ紙。
一方、強姦などの多発地区は南部のカッポン・レドンド、カンポ・リンポや東部のイタイン・パウリスタなど。銀行強盗は南部のサントアマーロ、カンポ・リンポや中央部、西部のピニェイロスなど。自動車強盗は、南部のジャバクアラや西部のコアビ・エリオポリス、東部のヴィラ・マチルデ、サポペンバなど。その他、麻薬は北部、セーやサンタ・イフェジェニアなどではすりなどの泥棒多発といった報告もなされている。
一方、四日のエスタード紙が、サンパウロ市ジャルジン区では、二人乗りバイクの取締り強化や銀行付近のパトロール強化で泥棒や強盗の被害が二四%減と報じたが、殺人発生率が九一・六七%減少したポルト・フェリース市でも、警備員が警官よりも多く、パトロール活動が充実。犯罪者を処罰するのみではなく、犯罪の発生を未然に防ぐ努力が実を結んでいるといえる。