ニッケイ新聞 2008年8月7日付け
六期連続でサンパウロ市議を務める羽藤ジョージ氏(PMDB)が、十月の地方統一選挙に向けて七度目の出馬表明をし、来社して理解と協力を訴えた。
一九八二年以来、二十五年間連続でサンパウロ市議を務めるベテラン政治家。「連続でなら一番長い」という。県人会が式典をやるときには市役所や州政府との仲介役はもちろん、会館の税金問題など日系団体への裏方業務も地道に重ねてきた。
今月から施行され、交通事故が大幅減少して話題になっている飲酒運転の基準を新しくした法律(通称レイ・セッカ)も、元々は同市議が八年前に成立させた法案が基底になっている。「今回のは、取り締まりを厳しくするだけの法律。いわば僕の法律への追加をしただけ」。
今月の施行以来、救急病院の急患が三割も減り、その分、病気の患者への応対ができるようになった。このように節約した医療費一カ月分は、二百床の病院の運営費に匹敵するという。
羽藤市議は「この法律は、近郊都市はもとより全伯の自治体でコピーされて広まった」という。
今回の選挙は法律改正により、野外広告やボールペンなどのプレゼントが禁止になり、テレビや新聞以外は、有権者に体当たりで選挙活動を繰り広げるしかない状況だ。
同党の場合、最低でも四万五千票が必要になるという。現在五十五人の市議枠に三人の日系人がいる。かつて四人が最高だが、〇〇年には同市議だけだった。「今回の日系候補は約二十人おり、日系同士がしのぎを削る厳しい選挙戦になりそうだ」という。
通常なら議席の三十~四十人が入れ替わる。「多いときは四十五人も変わった」とも。今回の選挙制度では、知名度のない新人は厳しいだろう、との見方をする。
「六期務めてフィッシャ・リンバ(逮捕や訴訟歴がない)だし、政党も一回も替わったことがない。常に二世として、日系人の矜持を持って活動している」と胸を張った。