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愛知県人会創立50周年式典=母県から40人の慶祝団=神田知事「未来に向かって友好を」

ニッケイ新聞 2008年8月12日付け

 ブラジル愛知県人会(豊田瑠美会長)は十日午前十時から同県人会会館で、創立五十周年式典を開催した。母県からは神田真秋同県知事、鈴木愿同県議会副議長など約四十人の慶祝団が来伯。式典には約四百人が出席して盛大に挙行された。神田知事は祝辞のなかで、「日系ブラジル人との交流を深めながら、未来に向かって友好を固めていきたい」と力強くあいさつした。
 当日はジェラルド・アフォンソ・ムジ在名古屋ブラジル総領事も出席。伊藤アンテノール・同記念式典実行委員長(県人会相談役)の開会宣言に続いて、日伯両国歌、同県民歌斉唱と、先没者に対する一分間の黙祷などが行われた。
 豊田会長は、日本人移民の歴史と同県人会の成り立ちを説明した後に、「本日来場のみなさま、今日は来ていただいて本当にありがとうございます」と感謝を表した。
 祝辞で神田知事はブラジリアを訪れた際に、ジョゼ・アレンカール副大統領から『日本人は百年前からブラジルの発展に貢献した』との言葉を直接聞き、立派に活躍していることを実感したと話し、「ブラジルでがんばっている日本人や日系人たちを見て、日本人として誇りに思っている」と喜びを表現した。
 鈴木副議長、徳倉正晴・中部経済連合会理事、西林万寿夫在サンパウロ総領事、与儀昭雄県連会長なども創立五十周年への祝辞を述べた。
 愛知県から県連、文協、援協へ記念品が贈呈され、母県と県人会が記念品を交換。
 続いて同県出身者で満八十歳以上の高齢者百十人(五十八人出席)に対して、賀寿状と記念品の金杯が神田知事から一人一人に手渡された。
 表彰者を代表して、羽田宗義同県人会名誉会長は神田知事に感謝を述べながら「微力ながらご恩に報えるために、県人会の発展に貢献したい」と力強く語った。最後に留学生研修員を代表して今雪ノリエさんがお礼の言葉を述べた。
 高齢者表彰を受けた田中経子さん(みちこ、82)は「心から嬉しくて感謝しています。こんなにしてもらうとは夢にも思わなかった」と涙を流して喜んだ。
 関係者による創立五十周年を記念したケーキカット、乾杯に続いて食事・歓談が行われ、母県からの来伯者とふるさとの話で盛り上がった。最後にはサンバ隊も入場し、参加者一同で楽しい一時を過した。

愛知県=文協図書館に本寄贈=今年度中に3千冊以上

 愛知県人会創立五十周年式典に出席するため来伯中の神田知事は、十一日午前、文協図書館に三千冊以上の書籍を寄贈する目録を上原幸啓文協会長に手渡した。同事業は、同県がブラジル日本人移住百周年を記念して行うもの。
 図書は現在、母県が図書館業者と一緒に選定中で、今年度中(二〇〇九年三月まで)にブラジルに送る予定になっている。郵送方法などはまだ決定していない。
 新書を中心に、文芸や日本語を勉強できるような日本語教材、辞書、事典、漫画、同県内の情勢が分かる本などを送る予定にしている。
 神田知事は、「比較的新しい本を中心に送り、若い人をはじめ多くの人に活用してもらい、日本文化に触れてほしい」との希望を語った。
 目録を受取った上原会長は「一冊一冊が日本とブラジルの絆になるようにしたい。祖国の文化を残すベースにしたい」と話した。