ニッケイ新聞 2008年8月13日付け
ブラジリアが、ブラジルで一番豊かな都市で一人当たり所得が全国平均の三倍もあり、大消費都市であり経済の中心地となる可能性もあると産業界が注目と十一日付けヴァロール紙が報じた。都民は高学歴者が多く、一〇%が二万レアル以上の収入を得ている。
遷都五十周年に当たる二〇〇〇年は、人口五十万人と見込んでいたが、実際は予想の五倍の二百五十万人となった。雇用は殆どが、公務員のため安定している。
都民は、よく本を読む。サンパウロ市以外で書店が繁盛するのは、ブラジリアだけ。自動車が多いのと交通渋滞にも驚く。全国平均は、四人に一台。ブラジリアは、二・五人に一台。首都設計者のニーマイヤ氏は、夢が外れたと嘆いている。
全国の事業家が市場調査に訪れ、物流センターの設置に意欲を燃やす。本部をブラジリアに移し、全国へ配送する流通業者もいる。理由は中央西部と首都が、将来の黄金郷だからという。
首都はインフラが完備しているのも強い。多くの物流や製薬、流通、IT、通信機器、通信教育などの企業が、ブラジリアへの本部移転を考えているので産業の中心都市となる予想だ。
首都は企業誘致のため、用地購入に八〇%の融資を提供する。流通税は十五年間、七〇%以下の免税。この企業誘致による直接雇用と間接雇用は大きい。殊に建材は、遷都以来繁盛した。最近は周辺都市の造成で、建材は供給が間に合わない。
コンピューターを備えている家庭は、三六・四%。インターネットに接続している家庭は二九・七%。家庭電話の普及率は、九四・一%。携帯電話は百人に百十六台で、どれも全国トップ。