ニッケイ新聞 2008年8月15日付け
下院は十三日、零細起業法(MEI)を承認と十四日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。同法は上院も通過すれば、一千万人のカメロー(行商人)や露天商などが日の目を見ることになり、妊娠休暇手当てや年金を受給できる。同法草案はサンパウロ州商業連盟(ACSP)のアフィフ前会長が二〇〇四年、ルーラ大統領に提出したもの。
これまで自治体の監督官から虫ケラのように扱われたカメローや露天商、失業中で糊口を凌ぐ人々などが、起業家として誕生することになる。二〇〇四年に同草案が提出されて四年間、棚でほこりを被っていた。
同法案の採択には、ACSPやサンパウロ州会計事務所協会、ピメンテル社会保障相、同案上程者のメーレス下議(DEM=民主運動党)、アウヴェス上院議長の後押しがあった。草案は原案通り通過すると思われる。
上院で承認されれば、発効は二〇〇九年一月。
ACSPのブルチ現会長は、MEIがブラジルにおける国連IDH(人間開発指数)の向上にもつながると期待している。これまで社会の片隅で非人扱いされた人々が、市民権を得るのだ。
これでブラジルの職種に新しいカテゴリーが生まれる。裏庭の工場や学習塾、歯型職人、美容師、庭師、左官など五十万の分類外職業が同職種へ仲間入りする。
零細企業が赤ちゃんなら、零細起業は妊娠中の胎児のようなもの。小学生と幼稚園児のようなもの。零細企業法では、法定帳簿の記帳と売上伝票の発行が免除された。納税は、チケット方式の分割払いである。
新しい零細起業法では、更に簡略化される。社会保障院への負担金は、毎月四十五レアル六五センターボス。サービス税(ISS)は、毎月五レアル。流通税(ICMs)は、毎月一レアル。全てチケット方式。