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文協水曜シネマ=映画「最後の早慶戦」=終戦の日前に上映会

ニッケイ新聞 2008年8月15日付け

 遡ること六十五年前、太平洋戦争への学徒出陣を数日後に迎えた一九四三年十月十六日、早稲田大学の戸塚球場で「最後の早慶戦」と呼ばれる、早大と慶應義塾大学との野球の試合が行われた――。
 映画「ラストゲーム 最後の早慶戦」が、六十三回目の終戦記念日を前に十三日午後一時から文協水曜シネマで上映された。
 同映画は二十三日の日本全国ロードショーに先立って、ブラジルで上映されたもの。敵性スポーツとして野球が禁止された戦争の時代、戦地に赴く両大学の選手たちのため最後の早慶戦が開かれた史実に基づいて製作された作品だ。
 当日は朝から冷え込む中、約二百人が来場し、画面に釘付けに。最後のクライマックスでは、会場内からすすり泣く人たちの声が漏れ聞こえてきた。
 旧制浦和高等学校に在学中に、最後の早慶戦開催のため尽力した飛田穂洲氏(早大野球部顧問)から指導を受けたことがある広田栄一さん(87、埼玉)と、五十年前にブラジルで行われた早大対ブラジル代表の試合に出場していた渥美明さん(71、神奈川)の二人が来場していた。
 「当時と同じような内容だった。飛田さんの役者がすごく似ていて懐かしさを感じた」と嬉しそうに話す広田さん。
 渥美さんは「東京から電話があったので見に来た」と話し「感激して、涙が出てきた。当時彼らがどのくらい野球を愛していたかを今の人たちに学んで欲しい」と希望を述べた。
 布施直也コーディネーターは「終戦記念日も近かったし、戦争に参加した人たちも多かったのでやって良かった」と嬉しそうに話していた。