ニッケイ新聞 2008年8月16日付け
(既報関連)零細起業法(MEI)は十九日、上院で表決予定だ。それからどうなるか。同法は従来の零細企業法(ME)が見落としたカメロー(行商人)や露天商も加え、社会参加を促すための補足令(PLC)であり、MEの完結篇と十五日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
上下両院の表決が終わると法制委員会(CCJ)で細則を作成し、来年一月に発効。零細起業とは月商三千レアル以下の法人を呼び、付帯義務税を免除される個人営業の従属職種とされる。該当者は全国で一千万人、サンパウロ州で三百二十万人、サンパウロ市で百万人もいる。
零細起業主は管轄官庁で登録番号をもらい、月間五十一レアル六五センターボスの一括税(社会保障院負担金とサービス税、流通税)を支払い、晴れて天下の事業家の端くれとなる。支払いは、チケット制か電気料金と一緒に払う。
売上伝票やサービス伝票の発行は、対法人以外には免除される。零細起業の利点は、税制がカテゴリー3と負担の軽いこと。カテゴリー5の零細企業が、3へ殺到することも予想される。零細企業時代の滞納税を、百回の分割払いも可と同法条文に記されている。
しかし、MEIを悪用した新手の悪徳商法が横行することも予想される。MEIの名義賃貸も、これからあり得る。月商三千レアル以下のMEIを百人から名義賃貸すると、月三十万レアルの商売ができる。
商業連盟のアフィフ前会長は、零細起業法(MEI)に奴隷解放令(レイ・ド・ベントレ・リーブレ)と名づけた。奴隷解放令は、〇月〇日以後生まれた奴隷の赤ん坊を自由人とする法令であった。カメロー(行商人)や露天商も〇九年一月一日、血も涙もない監督官から解放されるという意味らしい。