ニッケイ新聞 2008年8月16日付け
ブラジル日系老人クラブ連合会(重岡康人会長)が百周年を記念して発行を企画、今年三月頃から作品を募集していた「老ク連創作選集」の入選作品が決定した。
初の試みとして行われた同選集には、俳句、短歌、川柳、随筆、自分史の五部門で約百二十点の作品が寄せられた。
百周年に対する一人一人の熱い想いが詰め込まれた作品の中から上位入賞作品が選ばれ、九日に行われた「第三十二回老ク連大会・芸能祭」で発表された。
入選作品は、老ク連が毎月発行している機関紙「老壮の友」に掲載し、寄せられた全ての作品は一冊の本にまとめて今年中に発行する予定。
入選者と作品は次の通り(順に上位入賞者、随筆・自分史は入選、佳作作品、敬称略)。
【俳句】卒寿翁百周年の桜守る=香山和栄(サンパウロ中央老壮会)、百年の汗と涙の染む大地=鈴木文子(サンパウロ中央老壮会)、六世の生まれて移民史百年祭=野村康(セントロ桜会)。
【短歌】もろもろの幾多の苦難乗り越えて今百周年の大空仰ぐ=井本司都子(セントロ桜会)、ふるさとを訪れるなく逝きし父母魂よ安かれ百周年祭=富樫苓子(セントロ桜会)、百年は夢の如しと人言えどひと日ひと日の年月重し=上田幸音(セントロ桜会)。
【川柳】歯の抜けたようなお祭り百年祭=大岩和男(レジストロ春秋会)、四世へ日本文化を語り継ぎ=壇貞則(イタペチ万寿会)、信頼の稔る拓魂百年祭=鈴木竜尾(サンパウロ中央老壮会)。
【随筆】百年の古時計=早川正満(インダイアツーバ親和会)、兄の年月=井沢佳子(サンパウロ中央老壮会)、日系人と日本精神=井上忠治(サンパウロ玉芙蓉会)。
【自分史】思い出すままに=井口たき子(ヴィラ・ソニア老壮クラブ)、花嫁移民として=相沢絹代(サンパウロ鶴亀会)、私の自分史=西丸俊子(モジ・ダス・クルーゼス中央日会老人部)。