ニッケイ新聞 2008年8月20日付け
サンパウロ市証券取引所(ボベスパ)の株価指数が十九日、一・六%下げ五三・三二六ポイントを記録し、昨年九月以来の最低水準になったと十九日付けエスタード紙が報じた。原因は米金融危機で、ブラジルの銀行や企業は程々の実績を積んだが、高波から免れえなかった。これで八月の下落が累計で一〇・三八%、今年に入って一六・五三%だ。
不動産ローンを震源地とする米発金融危機の高波が、ボベスパへ上陸したようだ。ボベスパは、ニューヨーク証券取引所に連動している。米不動産市場の温度計といわれるフレディ・マックとファニー・メイ株の下落が、ニューヨーク市場を震撼させた。
同株は、それぞれ二四・九六%と二二・二五%も暴落。投資家の解約に備えるため、米財政当局は公的資金の投入準備に入ったと金融紙が報じた。同暴落は、メリル・リンチ銀行やリーマン・ブラザース銀行をも道連れにした。
ボベスパは理想的指数を示していたのに、取引きは僅少であった。外国人投資家は、引き続きボベスパで売り浴びせている。国内の投資家も、対岸米国の火事に固唾を飲んでいる。ブラジルの金融市場が再度、米金融市場のために大きな被害を被った。米発高波は、来週も続くと見られる。
世界の目は今、ドル通貨の動きに集中している。もしもドル高レアル安の流れとなれば、米資金がボベスパへ流れ込み、割安な株の購入に入る。危機に強いドルにとって、ボベスパは今が格好の稼ぎ場。短期以外の金融商品が買い時。
まだ底の見えない米金融危機の高波は、小刻みにやってくるようだ。ボベスパで稼げるチャンスは、株価指数が六五〇〇〇ポイントでは少ない。稼げる七〇〇〇〇ポイントはすぐに来るという関係者の見方だ。
十八日の為替市場は、コモディティ市場が激しく揺れたためドルが動かなかった。そのような中、原油は五月以来の弱気となり、レアルに対しドルは強気であった。