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滞納軽減案を上程=総額1兆3000億Rの決済へ

ニッケイ新聞 2008年8月21日付け

 マンテガ財務相は十九日、民間企業の税滞納決済を容易にする新草案を大統領に提出と二十日付けエスタード紙が報じた。これは連邦政府に対する税の滞納が、長期据え置きで貯まっているため整理をするもの。
 新草案は、一万レアル以下の滞納分支払い免除や期限猶予、前払いへの割引、分割払いの変更など九種類ある。これでルーラ政権になって、三度目の滞納決済の改定だ。
 税滞納総額は現在、一兆三千億レアル。内訳は計上滞納分が六千二百四十億レアル。未計上滞納分が六千四百九十億レアル。非課税債務が四百三十億レアル。裁判所で差し押さえ手続き中が、一千百六十万件。
 債務の取り立ては、殆ど不可能と財務省が見ている。昨年回収ができたのは、三十億レアルに過ぎない。百億レアルは、裁判所へ回った。
 新草案の債務回収期間は、平均で十六年。四年を行政処分により、十二年は裁判所処分とする。財務省の真意は、決済を容易にすることで少しでも歳入を増やしたい考えらしい。
 五年以上前の滞納で金額が〇七年十二月三十一日、一万レアル以下のものは切り捨てる考えだ。これで総額の一八・一%の二百十万レアルが、免除される。
 現金決済とすれば減額されるもの、無利子で分割払いとなるもの、IPI(工業税)恩典が得られる滞納分は、三十六億レアルに上る。IPI訴訟を却下すれば、罰金八〇%や遅滞税を三〇%減額するなどがある。
 過去五年、法人税申告をしなかった共営者や経営者で、国税庁の要求事項にかからなかった場合の措置も草案に盛られ、二十日以内に議会へ上程される予定。