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スルプレーザな舞台に=ジョルジ・ベンジョールさん=東京で「ブラジル・フェス」に出演

ニッケイ新聞 2008年8月21日付け

 「どんなステージになるかって? それはスルプレーザ(お楽しみ)だよ!」―。東京・代々木公演で九月六、七両日に開催される『第三回ブラジル・フェスティバル』(主催・在日ブラジル商工会議所)に出演する(七日)ブラジルの国民的歌手、ジョルジ・ベンジョール氏(66、リオ出身)が十四日午後、TVグローボ局内で日系メディアに向け、記者会見を行なった。旧知の友人で音楽評論家の坂尾英矩氏がコーディネート役を務めた。
 同イベントは、九月七日のブラジル独立記念日に近い週末に米国・ニューヨークで開催されていたブラジリアン・デイ(今年で二十四回)が飛び火する形で二〇〇六年に始まった。
 昨年は、バイア州で人気のバンド「アザ・ジ・アーギア」が出演、グローボTV局の有名司会者のセルジーニョ・グロイスマンも特別参加。
 最終日には、リオの老舗サンバチームの看板歌手「ネギーニョ・ダ・ベージャ・フロール」がトリを飾り、二回目にして約二十五万人(二日間、主催者発表)を動員する大イベントに成長した。
 それにダメを押すかのように今回、ブラジルを代表する歌手、ジョルジ・ベンジョールが登場、東京で年々高まるブラジル熱にカリオカの風を送り込む。
 日本で公演を行なうのは、七二年、九二年に続き、三回目となるベンジョール氏は、「三味線や琴を持ってるんだ。今でも時々弾くよ」と日本の古典楽器への関心を話し、「日本の料理はブラジルの日本料理とは大分違うね。俺は豆腐の味噌汁が大好きだ」と親日家ぶりをアピール。
 今年の移民百周年について、「日本移民歴史は伝説だ。(笠戸丸が)サントスに到着し、様々な分野、特に農業分野で活躍し、ブラジルに根付いた。大臣も誕生したし、今では空軍のトップ(斉藤準一大将)が二世だ。凄いことだよ」などと顕彰した。
 「日本にいるデカセギは、ブラジルを豊かにするために働いている。パラナ出身の友人も二人いるんだけど、今回彼らに会うのも楽しみ。デカセギたちのことはいつも応援している」とエールを送る。
 記者会見に同席し、ベンジョール氏と訪日するTVグローボのアンドレ・ジアス氏は、同イベントに協賛する同局が日本各地で働くデカセギ二十五家族を招待する企画を行なっていることも明らかにした。
 「今回、名古屋に行きたいんだ。俺にとってエスピリトゥアルな場所だ。というのも〃エリコ〃という特別な女性に出会った場所だからね」とかつての日本女性との〃ロマンス〃をほのめかし、「何しろ、また日本に行けることに感謝しているよ」と満面の笑顔で話していた。
【ジョルジ・ベンジョール(JOEGE BEN JOR)】
 一九四二年リオデジャネイロ出身。サンバ・ホッキ(SAMBA ROCK)を確立させ、セルジオ・メンデスの演奏で世界的に有名となった「マシュ・ケ・ナーダ」(MAS QUE NADA)や「ポル・カウザ・ヂ・ヴォセ、メニーナ」(Por Causa De Voce, Menina)「ショヴィ・シューヴァ」(Chove Chuva)などのヒット曲で有名。今年日本では、トヨタの新車「ヴァンガード」のテレビコマーシャルで「タジ・マハール」(TAJ MAHAL)が使われた。