ニッケイ新聞 2008年8月21日付け
【沖縄タイムス】紙粘土を使った創作人形作家でローランド人形研究所主宰の座間味末子さん(59)=沖縄市=が県人のブラジル・アルゼンチン移民百周年に合わせ、百体余の琉球人形を両国の県人会館や文化センター、老人ホームなどに寄贈する。
ブラジルでは展示と制作講習会を開催。来場者に手作りのひなセットも配布する予定だ。二十一日に沖縄を出発する座間味さんは「琉球人形を通じて沖縄の文化を知ってもらいたい」と意気込んでいる。
座間味さんが一九九五年の第二回世界のウチナーンチュ大会で琉球人形の展示と制作実演を行った際、ブラジルの県系人から「ぜひブラジルで技術指導をしてほしい」と要請を受けたのがきっかけ。
沖縄タイムスの海外通信員第一号で、ブラジルから三十三年にわたり県人社会の動きを伝え続け、昨年六月に九十二歳で亡くなった宮城松成さんからは手紙で展示会の依頼を受けた。
さらに、二〇〇六年の第四回大会でも再び熱烈な誘いを受けたことから、移民百周年に合わせ、現地で技術指導などを行うことにした。
展示、寄贈する琉球人形は、県内で不要になった作品の提供を呼び掛け収集した。海外のウチナーンチュ子弟を励ます会副会長の武藤初枝さん(82)=沖縄市=とともに、破損個所の修復や塗り替え、衣装の着せ替えなどを実施。
鮮やかな四つ竹やエイサー、紅型などの伝統衣装をまとった郷土色豊かな姿をよみがえらせた。