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笠戸丸表彰=文協大講堂で授与式=454個人・団体が受賞=コロニア、伯への貢献称え=全伯から4百人出席

ニッケイ新聞 2008年8月21日付け

 ブラジル日本移民百周年記念協会顕彰委員会(桂川富男委員長)による「笠戸丸表彰」の授与式が、十五日午後三時から文協大講堂で行われた。受賞者四百五十四個人・団体のうち三百九十六人が出席。舞台上で来賓がそれぞれの受賞者に対して赤い紙を手渡した。桂川委員長は「今回の受賞者は全伯日系コミュニティーの中から選ばれた人たち」と喜びを表した。会場は受賞者と関係者で埋め尽くされ、にぎわいを見せていた。
 「ブラジルならびに日本人社会のメンバーで、日本移民をブラジルに定着および融合させるために、顕著な功績または日伯両国関係に多大な貢献をした人」を対象にした笠戸丸表彰。顕彰委員会では、二〇〇七年から全伯の日系コミュニティーに対して呼びかけ、全伯十一州とブラジリア連邦行政区、日本から七百五十六人の候補者推薦を受け、審査を重ねてきた。
 審査の結果、委員会は六月十二日に記者会見を行い、個人部門(二百四十五人)、団体部門(四十三団体)、物故者部門(百四十四人)、叙勲者部門(二十二人)の四部門で、四百五十四個人・団体が選ばれたことを発表した。
 十五日の授与式には連邦下議、サンパウロ市議、各日系団体の会長などから多数の来賓が出席した。桂川委員長は、選考に苦労したことを話し「百周年を記念するこの年に表彰できることを嬉しく思う」と喜びを表した。その他、上原幸啓百周年協会理事長、丸橋次郎首席領事も祝辞を寄せた。
 来賓から受賞者一人一人に、賞状を挟む赤い用紙が手渡された。最後に受賞者を代表して日語で網野弥太郎元県連会長、ポ語で野村アウレリオサンパウロ市議が謝辞を返した。
 個人部門の受賞者には賞状とサントス上陸記念碑を象ったモニュメントが渡された。

受賞者喜びの声

 グアラサイ日伯文化協会はグアラサイ文化体育協会の推薦により受賞。香林昭司会長は「めでたい年にもらえたので、会館の中に飾っておくよ」と満面の笑みで話した。
 全国拓植農業協同組合連合会から推薦を受けたコチア青年連絡協議会。「たいした歴史はないけれど、百周年を記念して評価してくれたし、活動も評価してくれた」と山下治会長。
 パラナ州議や同州の都市開発局長などの経験を持つ荻堂オメロ・モリノブさん(故人)も表彰を受けた。代表して妻の荻堂エレナ・ミチエさんが受取った。ロンドリーナから訪れたエレナさんは「受賞したことを誇りに思っているでしょう」と故人の意思を代弁して感想を語った。
 サンパウロ政府と移民契約を結び、笠戸丸移民を導入した水野龍も表彰された。次女妙香さんの息子、エジソン・トシオ・ノムラさん(52、三世)が代表して受取った。「本当は母親が受取りたかったみたいだし、受取って欲しかった。体調が悪いから仕方ないね」と話した。
 ブラジル日本語センターの推薦により、約五十四年間日本語教育に携わった安永忠邦さん(87、二世)はプロミッソンから授与式に参加。「百周年の年にマリンガで皇太子さまにもお会いできましたし、このような立派な賞を頂いて今年は本当にいい年です」と喜びを爆発させた。
 精神科医の千葉勇さん(67、二世)は教育者として受賞したことを話し「笠戸丸の名前のついた賞をもらえることはとても嬉しい。笠戸丸はエスペシャルだからね」と満面の笑みを浮かべた。
 ブラジリアの日系団体から推薦を受けた松永行雄さん(81、二世)は叙勲者部門で受賞。同地から訪れ「こんなにしてもらって皆さんのおかげです」と感謝を表した。