ニッケイ新聞 2008年8月22日付け
【カストロ発】今月十日に行なわれたカストロ入植五十周年祭で、ジョゼ・オタービオ・ノセラ市長より土井大生さん(ひろむ、74、北海道)に名誉市民章が贈られた。同コロニアでの受章は、ジャガイモ王と言われた木村忠雄さん、初代ACEC(カストロ文体協)会長で市会議員の経歴を持つ前田猛さんらに次いで五人目。
元々電気職人だった土井さんは一九五六年に来伯。三年間石川島リオ造船所で船の配線工事に携わり、六二年にカスロトへ入植。ジャガイモに始まり有機大豆、肉牛、雑穀などを育てていた。
六七年に芋洗浄機を発明。それまで雨が多い同地で、馬車での輸送中に芋についた土が濡れて、途中で腐ることが多かった。洗浄機のおかげでそれが改善され、出荷率が向上。相談役として市民病院の赤字経営建て直しなどでも活躍した。
今年度パウリスタ・スポーツ賞をパークゴルフの部で受賞しており、地域の発展に長年携わってきたことが評価された。
土井さんは受章の喜びを、「何とか乗り越えるという精神で今まで精一杯やらせてもらってきた。嬉しいですね」と、この日集まった息子や娘家族前で満面の笑みを浮かべて語った。