ホーム | 日系社会ニュース | 三重県人会創立65周年=姉妹提携35年、県人移住96年=〃三重〃の喜び盛大に祝う=野呂知事「若者の交流を」=徳力会長「次世代が会支える」

三重県人会創立65周年=姉妹提携35年、県人移住96年=〃三重〃の喜び盛大に祝う=野呂知事「若者の交流を」=徳力会長「次世代が会支える」

ニッケイ新聞 2008年8月23日付け

 三重県人文化援護協会(徳力啓三会長)は二十一日夜、サンパウロ市ビラ・マリアーナ区の同協会会館で、創立六十五周年記念式典を開いた。同県人会会員や他の県人会の代表者ら約二百五十人ほか、母県から野呂昭彦県知事、萩野虔一同県議会議長はじめ、行政、経済団体、民間などからの使節団、約五十人が参加。三重県とサンパウロ州姉妹提携三十五周年と三重県人移住九十六周年も記念しており、この日、〃三重〃の喜びを盛大に祝福した。
 総立ちの出席者から大きな拍手が送られるなか、徳力会長の先導で野呂県知事と萩野議長が入場した。尾崎ルイスさんの司会で進行。河村武夫式典実行委員長の開会宣言で幕を開け、日伯両国国歌斉唱後、先没者に対し黙とうを捧げた。
 徳力会長は、これまで同県人会から百四十一人が参加した母県への留学・研修制度に触れたうえで、「日本の良さを見聞した二世、三世が今後の県人会を支える存在になる」と強調。三重県人の移住の記録やサンパウロ州バストス市に始まる県人会の歴史にも触れた。
 野呂県知事は、滞伯中、県人会関係者に温かい歓迎を受けたと感謝したうえで、「三重県は近年日本で経済成長ナンバー一を続けている。それを支えているのは我が県で二万人を超えるブラジル国籍の方々」と述べた。また、「今後は両国の若い世代の交流と親交を図っていきたい」と力強く述べた。
 「ボア・ノイテ」とあいさつした萩野議長。先達移民の苦労に敬意を示したほか、同県に多く暮らすブラジル人が新たな友好の歴史を築いているとし、「両国は遠く離れていても互いの心は近い」と締めくくった。
 西林万寿夫在サンパウロ総領事、経済視察団団長の飯田俊司・百五銀行会長、援協の森口イナシオ会長ほか、日系政治家を代表して野村アウレリオサンパウロ市議が熱を込めてあいさつした。
 県民功労賞授与では、石橋通之進前県人会長が野呂県知事から表彰された。海外県民功労賞授与では日系初の軍警大佐で、日本からの要人が来るたびに武官に任命された西礼三さんらが表彰を受けた。
 白寿者表彰や長寿者表彰ほか、県や県人会、サンパウロ市議会などとの間で、記念品や記念プラッカの交換があった。県から県人会に対し、桑名市の無形文化財「連鶴」の置物がプレゼントされ、参加者の注目を集めた。
 続いて同県人会の記念事業の「三重県人移住史」編さん・発刊費用として、岡田文化財団から寄せられた協力金目録が、野呂県知事から徳力会長に手渡された。
 留学生、研修生の感謝の言葉に続いて、大谷パウロ副会長が閉会の辞を述べた。川村久賀須県人会相談役が乾杯の音頭をとり、野呂県知事、萩野議長、徳力会長、川村相談役がケーキカット。出席者は日本食を囲み懇談。ヨサコイ・ソーランやサンバショーのアトラクションも盛りあがった。
 野呂知事は二十二日に帰国。滞伯中、来年に三重県で開催される「第三十三回全国高等学校総合文化祭」に南米から初めて参加してもらうため、サンパウロ州立ジョルナリスタ・ワンディック・フレイタス学校に参加を要請した。