コラム　オーリャ！

ニッケイ新聞　２００８年８月２３日付け

　本当にこの人は身体障害者？―会って話し始めた瞬間にそう思わせるような、常に笑顔を絶やさない歌手の中平マリコさんが、百日間のブラジル滞在を終え日本へと発った。
　肩の軟骨が無くなり常に激痛が走っている状態らしいが、それも満面の笑みで話す。先日、九十四回目の最終公演で新曲「ありがとう」を披露した。ふとブラジルの空の上で頭に浮かんだらしいその曲は日系コロニアに対する「ありがとう」であふれていた。
　「ありがとう」を言いたいのはコロニアの方だろう。マリコさんは今回ボランティアで来たうえ、四万レアルを日系四団体に寄付した。
　来伯三回目の母、芙早恵さん（７８）は、今回約九十回の公演に同行した。マリコさんは母への感謝も新曲に込めたのだろう。　　（親）