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最高裁=無脳症で最終審理=生命の尊厳で見解が二分
ニッケイ新聞 2008年8月26日付け
最高裁は、無脳症胎児の妊娠中絶について宗教的面の審理を二十六日、科学的面の審理を二十八日、社会的面の審理を九月一日に行うと二十四日付けフォーリャ紙が報じた。十月または十一月に最終判断に至ると思われる。
無脳症に関する審理は、幹細胞と殆ど同様の人間生命の尊厳論だ。現在まで是とするもの四票、非とする者四票で、残るはエレン・グラシエ判事とカルメン・ルーシア判事、メンデス裁判長の三人となった。
審理の焦点となるのは、二歳で死亡したマルセラちゃんが妊娠中に無脳症と診断されたこと。医師の診断では、死産か生後まもなく死亡と予想した。幹細胞では、どこから人間生命と認めるかで、見解が二分した。無脳症の中絶は中絶ではなく、人間生命の中断だという見方のようだ。