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狂気の沙汰のカーレース=グアルーリョスで1人死亡=事件の背後には何が?

ニッケイ新聞 2008年8月28日付け

 青年たちが一般道で行なう違法なカーレース(ラッシャ)は各地で起きるが、二十五日のグアルーリョスのレースでは死者も出たと二十七日伯字紙が一斉に報じた。
 事故発生は二十五日二三時ごろ。ヴォヤージと競っていたGolがコントロールを失い停車中のコルサに衝突。コルサのトランク部分に腰掛けてレース観戦中の三人がはねられ、一人即死。Golの運転手と同乗者を含む四人が負傷した。
 ただ、コルサは停車していたという目撃証言に対し、調書を取った警察官はコルサもレースに参加していたという。また、アゴーラ紙は、レースは四台で行なわれ、最初に二台が出発。その後出発した二台がヴォヤージとGolで、時速一六〇キロで走っていたGolが突起でコントロールを失い、停車中のコルサにぶつかったという。
 スピードについては、エスタード紙は時速一二〇キロと食い違うが、はねられた青年たちについても、車外にいたという証言や、即死した青年は高さ一〇メートル、距離も三〇メートルまで飛ばされたというエスタード紙記述と、車に乗っていたとの警察の調書とには食い違いが見られる。
 また、一連の報道で目を引くのは、事故を起こしたGolの運転手は市警だったという事実。市警の兄弟は、本人は結婚資金を作るために車を売ろうとしており、買い手がついて出かけたところで強盗にあい、逃げようとして事故を起こしたと供述。調書を取った警察官は市警の言い分を聞いてくれなかったという。
 兄弟の供述はエスタード紙のみの記載だが、その他、一〇〇〇ccクラスのコルサでレースに参加できるはずはないという家族証言など、警察調書への疑問もある。また、現場のラウロ・デ・グスマン・シウヴェイラ大通りは頻繁にレースが行なわれ、事故当事者が警官でなかったら、注目されなかった可能性さえある事件で、真相解明には時間もかかりそうだ。
 五月二十八日にはサンパウロ市モルンビーで死者の出るレース、三週間前にもマルジナル・ピニェイロスでレースなど、青年たちを狂気に走らせる事件が続いているが、スピードにはけ口を求める若者の背後にはどんな問題があるのか。就学前児童にまでうつ病が起きる現代の病んだ世相がここにも現れているといえる。

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