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農業の温暖化対策=開花期高温で結実せず

ニッケイ新聞 2008年8月28日付け

 地球温暖化のためにフェイジョン在来種の収穫量が激減したことで、パラナ州農事試験場(Iapar)が二十六日、気温上昇と旱魃に強い作物の品種改良に取り組んでいると発表したことを二十七日付けエスタード紙が報じた。
 在来種の異常は九〇年代半ばに始まり、収穫が六〇%も減少した。開花期に気温の異常上昇がおきると結実しない。特に気温の影響を受けるのは、フェジョアーダ用の黒豆だ。
 気温の変化による適作地の移動が始まる。南伯では水分ストレスのため不適とされた黒豆栽培は、北東伯では思わぬ収穫量を上げ、これからの効果が期待される。
 高温に強い黒豆「ウイラプル」種が、Iaparで開発された。その後さらに、改良種「チジウ」「グラーリャ」が生まれた。フェイジョン・カリオッカでは、高温乾燥に強い「タンガラー」が発表される。
 コーヒー栽培地域は、一時平均気温の低下でミナス州などへ北上。パラナ州からコーヒーが引き上げたが、また帰還する。気温上昇で降霜のリスクが減少。コーヒー改良種といえば病気と虫害に強く多収穫であったが、今は高温乾燥に耐えるが加わった。
 大豆栽培では、温暖化対策として土壌と品種で二つの方法がある。土壌の保全と播種、輪作、放牧をかみ合わせる。この作業は土壌の硬直化を避け、毛細管現象を促すので、水分をよく土壌に浸透させ、かつ湿度を保つ。
 サトウキビ栽培では、地域に適した品種選択が決め手になる。ブラジルは、サトウキビの適作地として四百地域がある。降雨が少ない地域のサトウキビは、水分ストレスに強い。栽培農家は各地域を訪ね、高温乾燥に強い多種試作をすること。畑に木を植えるのも、温暖化対策の一つだ。