ニッケイ新聞 2008年8月29日付け
ゴスペル歌手で元NHK教育テレビ「歌のお姉さん」の森祐理さんが、二十九日から「ブラジル移民百周年記念森ゆりコンサート」(ブラジル日系キリスト教連盟主催)を四都市で開催する。三十一日午後三時からは、リベルダーデの文協ビル記念講堂(R.Sao Joaquim,381)で公演、約二十曲を披露する。
ピアニストの尾形真菜さん、尾形宗士郎さん、モリユリ音楽事務所プロデューサーの岡兼次郎さんと二十六日に着聖。同連盟の長田光夫理事長、佐藤浩之牧師と来社した。
ブラジル公演は一九九九年以来二度目。大阪出身の森さんは、「コロニアのおばあちゃんたちが綺麗な日本語を使ってらっしゃったのが印象的で・・・。美しい日本の心に触れ、本物の日本が残っていると感じました。自分のアイデンティティーを再確認し、誇りに思った」と九年前を振り返った。
三年前に長田理事長が今公演のオファーを出し、二つ返事で引き受けた。「百周年の年に歌えることに心から喜びを感じます。期待いっぱい」と胸を弾ませて話した。
森さんは九五年の阪神大震災で大事な弟を亡くしたのをきっかけに、世界中の被災地や刑務所慰問コンサートを始めるようになった。年に約百三十回もの救援コンサートをし、〇七年には法務大臣顕彰を受賞している。「弟の死によって今こうして歌っている。不思議です」。
「しあわせ運べるように心の故郷を歌う」と題したブラジル公演では、弟の死からの立ち直りや、なぜクリスチャンになったかなども話す予定。「クリスチャンの方でなくとも気軽に足を運んで欲しい。人生に繋がる何か一つを感じて欲しい」と呼びかけた。
公演は二部に分かれており、一部で童謡や唱歌、美空ひばりの「愛燦々」など。二部はゴスペルを披露する。入場無料だが、一人一キロの保存食寄付を呼びかけている。
各公演についての問い合わせは、長田理事長(電話=11・2979・0598)まで。
【公演日程】▼二十九日午後八時=ポルト・アレグレ市コレジオ・アメリカーノ講堂。▼三十日午後七時=ジアデマ市クララ・ヌネス劇場。▼三十一日午後三時=文協記念講堂(サンパウロ市)。▼九月三日午後七時半=モジ文協会館。▼五日午後七時=パラー州カスタニャル農業高校講堂。▼七日午後三時=マッタ・デ・サン・ジョアン市立劇場。(サルバドール近郊)▼十日午後八時=ソロカバ市立劇場。▼十二日午後八時=プレジデンチ・ベンセスラウ文協。▼十三日午後七時半=ポンペイア市西村農工学校体育館。▼十四日午後三時=バウルー市歯科大学講堂。