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米経済が底打ちか=第2四半期GDPが3・3%

ニッケイ新聞 2008年8月30日付け

 米政府商務省は二十八日、第2四半期の経済成長率を三・三%と発表し世界を驚かせたと二十九日付けエスタード紙が報じた。理由は輸出の伸びか消費の回復か分からないが、米発世界恐慌を恐れていたサンパウロ市証券取引所の関係者は、安堵の胸を撫で下ろした。
 悪いことばかりでは、ないらしい。米経済は今年上半期、三〇年代以来の経済危機に挑戦していると悲観材料の爆弾を落とし続けた。しかし、三・三%は先進国中で一番。米経済は無気力の死に体にまでは、至っていない症状といえる。
 米国のリセッションを止めたのは、輸出と消費のようだ。GDP(国内総生産)の六六%を占めた消費は、一・七%増。輸出は一三・二%増。これなら、下半期で需要が回復できそうだ。企業の在庫整理が、予想を下回ったのも幸運だ。
 報告書を見る限り設備投資は、二・二%から二・四%へ。営業益は、一兆三千六百十億ドルと僅かだが下げた。建設は一五・七%減で不動産ローンの傷が癒えつつあるようだ。米経済は、ビタミン剤を注入され元気を取り戻したらしい。
 FRB(連邦準備制度理事会)は、米経済に輸血を続けた。所得税償還金を一千六百七十億ドルも、充電した。銀行の資金ショートには、ブリッジ手術を施した。
 下半期には、日本やEUの経済停滞が予想されるが、米経済は堤防決壊を修繕したらしい。米国を襲った悪魔は、それほど醜くなかったようだ。心配したリセッションも先送りされたらしい。