ニッケイ新聞 2008年9月2日付け
消費市場過熱化の波に乗り、工業部門の雇用増加で商業部門のベテラン店員が、工場の生産ラインへスカウトされていると一日付けフォーリャ紙が報じた。顕著なのは、自動車関連の部品や鉄鋼、アルコール産業だ。
工業の給与水準は商業よりよく、労働時間も制度が明白で土日祭日の強制出勤はない。七月の工業労働者は、昨年同月比五・八%増。工業全般で、昨年同月比で四%の経済成長。その間商業は、僅か二・三%。
ブラジル人にとって商業は、初就職の登竜門らしい。就職条件は未経験でも採用、うるさいことをいわない。殆どは、非正規採用。景気に弾みがかかれば、大移動が起きる。商業で一頭地抜いた者は、工業でも機転の速さで戦力になる。
商業部門で九百レアルから一千二百レアルの給与者四八%が、工業へ係長クラスの就職を夢としている。現状に満足は、一二%だけ。