ニッケイ新聞 2008年9月2日付け
「魅力的な日本文化 茶―花展」が六、七両日午前十時から文協ビル(R.Sao Joaquim,381)で開かれる。裏千家ブラジルセンターとブラジル日本移民百周年記念協会、ブラジル日本文化福祉協会の共催。伝統的な生け花や茶道から、ポップカルチャーといわれる漫画やアニメに至るまで、幅広く日本文化が紹介される。
期間中は文協ビル全体を使い、展示や講演、映画上映、茶の席、点心席、生け花や書道のデモンストレーション、ミニ工芸バザー、漫画図書館など様々な催しを予定。
さらに、約四百年も鋳造が途絶えていた幻の釜といわれる「芦屋釜」を、十余年の歳月をかけ再現した山本ケイ仙(けいせん)氏(73)を日本から迎え、「日本における鉄文化」講演も予定している。
茶の湯の栄えた室町時代から珍重されていた「芦屋釜」は芦屋浜の砂鉄でできており、錆びることはない。山本氏は和銑(わくず)を使って再現。持参した芦屋釜の展示もされる。
入場は一部を除き無料。問い合わせは、裏千家ブラジルセンター(電話=11・3208・5485)まで。
「日本文化の特質」=1千部を再版
裏千家ブラジルセンターは、同展に合わせ百周年協会、文協と共同で六月に出版した「日本文化の特質」を一千部再版する。すでに一千部を販売している。
表紙デザインは画家の若林和男氏(神戸出身)。
第一章では、元サンパウロ大学日本文学講座主任教授の脇坂ジェニ氏の「日本人の季節感」や、松柏学園校長の川村真倫子氏の「大和心」など、十七人が様々な視点から日本文化を紹介。
第二・三章では、茶の湯と生け花の特質や歴史が年表と一緒に紹介されている。「茶の湯、生け花など日本文化とは何かが、この一冊で分かって頂けると思います」と来社した松原宗実さんは話す。
同展で販売。全カラー九十四ページ。日ポ両国語。