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FGVが教育効率分析=教育費と学力の関係は?=気掛りな海岸部や小さな市

ニッケイ新聞 2008年9月3日付け

 八月三十一日エスタード紙に、州内一五地域を教育効率順に分類した一風変わったサンパウロ州地図。
 この教育効率という言葉は耳慣れないが、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が、二年に一度発表される基礎教育開発指数(Ideb)と各自治体の教育費とを比較し、教育投資の効率性を算定したもの。同地図では、バレットス、セントラル、アラサツーバ、サンジョゼ・ド・リオ・プレット、プレジデンテ・プルデンテは効率的、レジストロ、ソロカバ、マリリア、カンピーナス、バウルは中間、大サンパウロ市圏、リベロン・プレット、サンジョゼ・ドス・カンポス、フランカ、バイシャーダ・サンチスタは非効率的だという。
 今回利用のIdebは二〇〇五年の全国統一テストと各市の教育環境などを分析したもので、地区別順位は、グループ内の上下はあっても、効率的、中間、非効率的のグループ順は不動。
 一方、教育投資一位のフランカはIdeb一二位、四位の大サンパウロ市圏は同一一位、五位のマリリアは同七位だが、教育効率一位でIdeb二位のバレットスは投資一二位。
 教育投資には、学校建設、教師の質向上対策、教材など、多彩な項目が含まれ、単純に相関関係ありと言えないが、〇七年のIdebを使って算定した教育効率など、継続調査が待たれる。
 今後は、Ideb進捗度と経費内訳(建設費や人件費、教材費など)を明確化した教育効率算定も求められそうだが、海岸部や小さな市では非効率的という報は気掛り。調査対象四〇四市中、効率ベスト一〇にはラヴィニア、オリンディウーヴァなど、Idebトップクラス五市が入った一方、Idebでは全国平均を上回るサンパウロ市は教育効率ではワースト一〇。ケイロースやアラペイー、パウリスターナは教育投資の半分以上が無駄になっているとされた。
 〇九年からは、教師の基礎給与最低額が九五〇レアルになる他、授業以外の活動時間増が義務付けられ、教員数を増やす必要がある上、カリキュラム変更に伴う教員や教具補充の必要もあり、教育経費は当然膨らむ。
 憲法に予算の二五%を教育に振り向けるようにとあるように、教育は国の基礎。各自治体の教育効率の改善、学力向上を伴う政策も、市長選の目玉になるかも知れない。