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最高裁盗聴、陸軍とAbin確執=国防相の告発がやぶ蛇に

ニッケイ新聞 2008年9月5日付け

 【既報関連】盗聴トラブルは、ブラック・ボックスを開けそうな展開になったと四日付けエスタード紙が報じた。ジョビン国防相のAbin(国家情報部)による盗聴機器購入の告発に対し、Abinは三日、陸軍こそ軍事用機器を所有し、非公式の盗聴活動に使ったと応酬した。
 陸軍のペリ将軍は「陸軍所有の機器は、ブラジル全域を監視と哨戒のために国際戦略本部が購入した」と声明を発表した。Abin所有の機器が陸軍所有の機器と同程度のものか、陸軍技官を送って調べるようAbinが要請した。
 陸軍は、最高裁とAbinの問題に巻き込まれたと迷惑しているようだ。陸軍の機器は数々の交信傍受が可能であるが、無意味なアソビに興じる者は、陸軍に居ないといいたいらしい。
 ジョビン国防相は、発言が薮蛇になったと訴えた。会議は、誰が最高裁の電話に盗聴設備を設置したかで、誰が盗聴機器を持っているかではないと反論した。問題はAbinが何をしたかで、陸軍は無関係だと降りかかる火の粉を払った。
 最高裁の盗聴事件は、政治的駆け引きであって事実の解明から脱線と国防相が批判した。しかし、会議に爆弾を持ち込んだのは、国防相だ。フェリックス将軍が、機器はどうでもよいが、国防相の発言で大統領がラセルダ前長官と副官を離任させたことに憤慨しているというのだ。
 騒動はまだ続く。大統領が連邦警察に、Abinにある機器を盗聴の可能性があったか調べるよう命じた。機器は重要な物的証拠となった。Abinに盗聴の役目はないのに、そんな機器を所有することも問題らしい。

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