ニッケイ新聞 2008年9月6日付け
サンパウロ市証券市場は四日、米国の予想を上回る失業率発表で株価指数を三・九六%下げたと五日付けフォーリャ紙が報じた。これは二〇〇七年八月以来の最低水準。ドルは二・六八%上げ、一・七二二レアルと一日で最高の上げ幅となった。
四日の株式市場は、ボベスパの五一・四〇八ポイントを筆頭に世界同時安となった。頼りのEU経済は、第2四半期がマイナス成長のため、コモディティ相場を下落させた。第3四半期も、EUは元気がなく低調。
百四十五ドルまで上った原油は、百七ドルへ下落。これは岩塩下油田の将来にも不信感を抱かせ、ペトロブラス株へ響いた。同株の下落が、ボベスパ全体へ影響した。
過去一年でペトロブラス株は、二八・四%下げた。ヴァーレは、二九・四%下げた。ブラジルの株式市場は、コモディティ国際市場の動向に大きく依存している。
ブラジルは六月上旬まで有望市場に格上げされ、国際市場よりも安定していた。しかし、世界経済の陰りで、ブラジルから投資の引き上げが始まり、投資有望国でも外資の流れを引き止めることができなかった。
六月中旬から始まったボベスパの下落は七月、八月と続いた。五月二十日を最高とするなら、現在までに三〇%の下落。ボベスパに外国人投資家は、三五%を占める。それが連日売り浴びせるので、下落はまだ続く。
今回の下落は、FRB(米準備制度理事会)議長の「米経済の停滞は、来年上半期まで続く」とした発言が足を引っ張った。第2四半期で三・三%の成長率を示したのは、政府の消費奨励策と輸出の伸びの結果であった。しかし、日本とEUが奮起しないので成果を消去したという。